LINEのフィンテック(ITを駆使した金融サービス)関連事業のメンバーに、LINEが目指す「お金の未来」を語ってもらう企画。

2回目は、LINE証券の宋素姸(ソヨン)さん、池田英和さん、石川紘子さんの登場です。LINEの証券事業は、野村證券とともに、どんなサービスを立ち上げようとしているのか、その先にはどんな未来があるのか。さらに、いまのチームの雰囲気や一緒にはたらきたい人物像も語ってもらいました。

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証券事業を担当する、左から、池田英和さん、宋素姸さん、石川紘子さん。※ソヨンさんには英語でお話を聞きました。

宋素姸(そん そよん)
LINE Financial株式会社 証券事業部 部長。過去15年に渡り、韓国、アメリカ、香港で戦略コンサルティング、コーポレート・ファイナンス、アセットマネジメントなど金融業界で経験を積んだ後、LINEの証券、投資事業の戦略などを担当。

池田英和(いけだ ひでかず)
LINE株式会社 フィナンシャル開発室 室長。SIベンダーで金融・行政のシステム構築、デジタルマーケティング企業を経て、ソーシャルゲーム会社で開発マネジメントを担当。2017年にLINE入社。開発3センターで、LINE NEWS、LINE LIVE、LINEマンガのチームマネージメントを担当。2018年5月より現職、金融システムの開発を推進する。

石川紘子(いしかわ ひろこ)
LINE株式会社 ファイナンスサービス企画チームに所属。前職は人材サービス会社にてマーケティング戦略、サービス企画を担当。2017年にLINE入社。LINEデリマ、LINEキャリアの立ち上げに携わり、2018年より現職。証券事業のサービス企画に携わる。

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サービスローンチに向けて、ほぼ毎日打ち合わせしているという3人。

「投資しないリスク」に気付くべき


――LINEの証券事業って、何をしようとしているんですか。

ソヨン:まずは、証券取引にともなう適切な価格設定ですね。日本は、証券取引したときの手数料が高すぎると思います。投資信託トップ10くらいの会社の売買手数料は、平均して2〜3%。これとは別に年間手数料が最大1.5%くらいかかる。世界的には2つ合わせても1%以下というのが普通ですから、日本はとても高いですね。はじめて知った時は、衝撃を受けました。

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――そんな中、野村證券さんと提携した理由はなんでしょうか。

ソヨン:新しく証券会社をつくるのに、ユーザーの皆さんに変な心配をかけたくなかったからです。証券業務の経験がない我々だけでは、どうしても「お金を預けて大丈夫だろうか」「破産しないだろうか」といった不安を顧客に抱かせがちです。そこで、証券、ファイナンスの部分でしっかりした経験と知見をお持ちの野村證券さんをパートナーに選びました。

LINEはモバイルサービスの知見はたくさんありますが、証券サービスについては、まだこれからです。だからこそ、日本で長い間No.1の地位を保っていて、グローバルでの存在感も大きい野村證券さんとのタッグはベストだと思っています。

――日本で個人の株取引といえば、まだまだ富裕層、年配層中心のもの、というイメージがあります。

ソヨン:私は日本に来て、大半の日本人が投資というものを一切していない、資産運用をしていないことに、非常にびっくりしたんです(Shocking)。しかも、投資をしないことのリスクに、まったく気付いていない人がいるのも驚きでした。

――「投資をしないことのリスク」というのは何でしょう……?

ソヨン:日本では、「資産運用に手を出さないほうが安全」と思っている方が多いようですが、むしろ逆です。たしかに、1年や2年の間であれば資産運用しなくても生きていけるかもしれませんが、今は人生100年の時代です。

退職して収入が途絶えたら、その先どうやって生きていくのでしょう……。60歳ぐらいが定年だとして、少なく見積もっても収入のない期間が30年から40年くらい続くと思うので、投資をしないことのリスクに早く気付くべきだと思います。

これまでの金融サービスは、お金を持っている人に向けて、お金をさらに増やす方法を提供してきました。本当にお金が必要な人たち=資産が少ない人や若年層には、その方法を提供しきれていないのでは、と思います。LINE証券では、その人たちにも、お金を増やせる入り口をつくりたい。少しずつ投資を経験しながら、自分に合った方法が見つけられるように“旅”の手助けをしていきたいです。


シンプルなUI、UX


――LINE証券はスマホでの株取引が前提のサービスを提供するんですよね。スマホのUI、UXがとても重要になってくると思いますが、どんな方針でつくっているのでしょうか。

石川:初心者の方にも簡単に投資を始めてもらえるように、シンプルなUI、UXになるよう徹底しています。投資は難しい、とか面倒、といったイメージを覆すことができたら嬉しいです。

ソヨン:海外のサービスを使っていると、既存の日本のサービスのUI、UXは、もっと良くできると感じます。日本のモバイルサービスはLINEも含めて、とてもキレイな、言ってみれば日本の美を体現するようなUIやUXがたくさんあるのに、オンラインバンキングや証券サービスのUI、UXは、まだまだ改善の余地がある。どこに必要な情報があるのかわかりにくい、というのが現状です。

石川:日本は規制が厳しくて、明記しなければならない制約事項がとても多いんです。それを全部明記したら複雑に見えてしまう……ということなのかもしれませんね。

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池田:日本証券業協会の取り決めで、そういった文言は必ずユーザーに通知しなければならないことになっています。PCならば画面が大きいのでいいですが、スマホは画面に表示できる情報量が少なくなるから、ごちゃごちゃしてしまう。既存のサービスは、PCが大元で、それをそのままスマホに持ってきたようなものが多い。

一方で我々は、スマホでの展開を前提とした証券会社を目指しています。だから、テクニカルな部分も含めて、結構なチャレンジをしているという自負があります。


LINE証券で生活はこう変わる


――リーズナブルな手数料や初心者にも親しみやすいUIやUXによって、LINE証券が多くの人に浸透したら、普段の生活はどう変わるのでしょうか?

池田:今、いろんな構想を練ってます。例えば、今は大手企業の株を買おうと思ったら最低でも30万円くらいは必要ですが、もっと少額で投資ができるようになったら、広く学生などの若い人にも投資するチャンスが生まれる。そうしたら、それをキッカケに日本人のお金の考え方を変えられるんじゃないかと思います。

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ソヨン:従来の証券取引は、オフラインの対面売買が中心でしたし、オンライン取引もPCがベースでした。PCは24時間なかなか持ち歩けません。スマホを前提としたLINE証券なら、時間や場所を問わず、調べたり、判断を下したりする体験を提供できると思います。

ユーザーは自分の買った株が上がったのか下がったのかを、いつでもどこでもチェックできるようになりますし、この株を買ったほうがいいのか、こっちのファンドは売ったほうがいいのかの判断を、いつでもどこでも下せるようになるわけです。


多様性こそが価値


――いまのチームの雰囲気はどんな感じでしょうか。

石川:企画は私も入れて4人で、私以外は男性です。みんなLINE証券のターゲットユーザーそのままで、証券初心者でした。この仕事をはじめてから口座を作ったり、投資をしたり。でも、いまは毎日投資の話で盛り上がってます。日本では、職場の人と投資の話をすることがあまりないので、LINE証券が普及したら、私たちみたいに普通に周りの人と投資の話ができるのかなと期待しています。

池田:新宿にいる開発チームは15人くらいで、今日もひとり入社しました。チームのモチベーションは高いですね。LINEが新しいことをやるにあたって、新しいプラットフォームが使えるわけですから、いろんなことにトライできる。すごく活気がありますよ。だから私があまりマネジメントしなくても現場は回る(笑)。

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ソヨン:非常に多様性がありますよね。もともとLINEにいた人もいれば、新しく入ってくる人もいる。部署によっては女性の方が多くて、日本人もいれば他の国の人もいる。結果、それぞれ異なる文化的背景から異なったアイデアがたくさん集まってくる、というのが良いところですね。投資経験者と未経験者が議論し、クリエイティビティが創出される。そういう多様性を私は愛しています。


0を1にするチャレンジ


――いまの仕事のやりがいって、どんなところに感じますか。

池田:0を1にするチャレンジ、そして世の中を良い方に向かわせる仕事に関われること、ですね。それと、多国籍の人たちで日本の証券サービスをつくることにも面白みを感じています。開発チームの拠点は京都、福岡、新宿にあるんですが、メキシコの方もいるし、アメリカの方もいるし、韓国の方もいるし、中国の方もいるし、今度ロシアの方も入社してくるんですよ。

石川:お金を儲けるためにやらなくていけない、という考えではなくて、どれだけユーザーに支持されるかという目線でサービスをつくる点に、すごくやりがいを感じています。

ソヨン:世の中のお金に対する考え方や価値観を変えることができたとしたら、それは大きなやりがいですし、私の人生にとって一番大きな出来事になるでしょう。

人生には「これなしに生きていけない」というものが、大きく2つあると思うんです。健康とお金です。ところが、それほど大事なのに、特に日本ではお金のことを話すのがタブー視される風潮があります。こういう考え方を、健全な方向に変えていきたいというのが、私の目標なんです。「資産はどうしたら増やしていけるのか?」といった話が、職場や学校でも自然にできるような環境を整えたいんですよ。

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――いま一緒にチャレンジしてくれるメンバーを募集しているんですよね。どんな人と一緒に、はたらきたいですか?

池田:エンジニアでは、誠実な人がいいですね。単にコードを書けるだけじゃなくて、自分が携わっている事業に対して、ちゃんと興味を持ってくれる人。そのほうが「0を1にする」私たちの仕事には向いていると思います。

石川:現状の証券業界へのリスペクトは持ちつつも、そのうえで、どのように変えていくかに取り組むことを楽しめる人、に来ていただきたいですね。言われたことをやるのが好きな人ではなく、こうは言われたけど本当にそうなんだろうか? 本当に必要なのか? と考えられる人は向いていると思います。

LINE Financialの証券事業では、以下のメンバーを募集しています。


「お金」が人生を豊かに


――最後に、これは毎回聞いているのですが、みなさんにとって「お金」とは?

池田:私、かつて別の会社で営業もやったことがあるんです。何億円もするシステムを売っていて。だからお金の大事さはよくわかっています。ソヨンさんもおっしゃいましたが、日本人はお金をたくさん稼ぐ、ということをネガティブに考える傾向にあります。でも、私にとってお金を稼ぐのは「いいこと」なんです。

それともうひとつ、実はその後、会社の経営に関わって、自分のお金で社員に給料を払っていた時期があるんですが、事業が傾いた結果、私が36歳のときに貯金が0円になったんですよ……。その時、お金がないと本当に生きていけないんだ、と痛感しました。

――ハードですね……。

池田:お金って、管理していないと本当になくなります。しかも、なくなるまで実感が湧かない。だから、生きていく上で必要なお金は、きちんと自分で管理しなきゃいけないと心に刻みました。

石川:私、お金は大好きなんですけど(笑)、お金のために生きるのは嫌なんですよ。だから逆説的なんですが、お金に振り回されないためには、お金を稼いだり、増やしたりする必要があると思います。

ソヨン:私は幼少期、裕福な家庭に育ちましたが、私が12歳の時に父が事業に失敗して、生活が一気に変わりました。幸い、現在は健康で仕事もあるので、それほどお金に困っているわけではないんですが、老後のことを考えるとすごく心配になるんですよ。今の生活の質を保てるだろうか? それとも昔味わったみたいに苦しい生活になってしまうのだろうか? あの辛い経験は二度と味わいたくないんです。

未来の生活の質を下げたくないと願うのは、私だけじゃないでしょう。どんな人だって、長い人生を生きていくうえで、未来のためにきちんと準備する必要がある。そのために投資というものがあるのですから。

だから私は今、非常に多くの投資をやっています。一つ目の理由は、今話したような老後の備えのため。そして二つ目の理由は、ちょっとした贅沢をしたいから。毎日、吉野家で食事をとればお金を貯められるかもしれないですが、たまには高級なレストランにも行きたい。投資をすることによって、そういうちょっとした贅沢ができるようになりますし、人生を豊かに送ることができる。私のお金に対しての気持ちは、そんな感じです。


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説得力が増す? 日本のインタビュー写真でよく見かける「ろくろ回し」のポーズを、ソヨンさんに伝授する池田さん。

0から1へ。新しい証券事業を立ち上げて、人生100年時代に向け、お金に対する価値観を変えていきたい。大きなチャレンジに共感してくれる方がいましたら、ぜひ、この記事の人材採用ページのリンクをたどって、メンバーに会いに来てください。

#お金の未来

  • LINE Financial株式会社 人材採用ページ
    ※今回記事で紹介しきれなかった募集職種もあります。