LINEで生まれる新しいアイデアやサービスを支える部門・チームを紹介する「LINEのなかみ」。今回は、LINEの様々な事業のデータ活用を支えるデータアナリストの仕事を、3名のメンバーからその業務内容や体制などについて紹介してもらいました。


左からHRサービス事業部の吉沢、LIVE事業部の於保、ニュース事業部の鈴木。

――経歴を教えてください。

鈴木:前職はデータ分析を受託開発する会社にいて、2017年8月にLINEに入社しました。クライアント先に常駐をしていたのですが、全体像を把握できていないまま切り出されたタスクをやるという仕事の仕方に違和感を感じていました。より事業全体をみて、分析から事業改善までを広範にやってみたいなと思ったのが転職の理由です。今は、LINE NEWSを手掛ける事業部でLINE NEWS専属のデータ集計・解析を行うチームで働いています。

吉沢:私は人材育成を手がけている会社にいて、2018年の9月にLINEに入りました。データ分析が得意な会社ではなかったこともあって、データに関するなんでも屋さんみたいな感じで、データと名がつくことやその周りのことを幅広くやっていました。前職でも世の中の人が前向きに働くための事業をやっていて、事業内容には共感していたのですが、もうちょっと世の中の多くの企業にサービスを届けられる会社や事業でチャレンジしたいなと思いまして。今も所属しているLINEのHRサービス事業部で、LINEバイトのデータアナリストとして働くことになりました。

於保:私はIT企業で企画の仕事をしていました。前職ではいかに全サービスのシナジーを出して、売上を上げるかという仕事だったこともあり、もっとサービスに寄り添って仕事をしたいと思って、転職することにしました。LINEには、2018年の3月に入社して、今はLINE LIVEで、分析やデータを使った企画の仕事をしています。データアナリストと言うより、データ分析に強い企画者みたいなポジションです。



――ご自身の役割について教えてください。

鈴木:単純な役割としてはデータを集めて分析して事業を改善することです。所属しているチームは企画職の組織なので、企画もできる分析者が求められていて。私自身もどちらかというとこれまでも分析に特化してきていたので、企画よりも分析に注力させてもらっています。具体的な案件でいうと、例えばマーケティング領域でLINEスタンプを使ったLINE公式アカウントの友だち追加キャンペーンをやったりするんですけど、その効果分析だったり、A/Bテストの設計、キャンペーン後の効果測定などを行っています。

吉沢:私の所属するHRサービス事業部にはデータアナリストが3人います。肩書きはデータアナリストですが、データに関わる案件はすべて担当する感じです。メインの業務でいうと、機能を追加した場合に、それによってどれくらいユーザーが増えたかという調査や、売り上げの予測などです。

他にもデータを使ってどうサービスを良くしたらいいのかといった企画や、企画者が自分たちでデータを触れるようなサポートをしたり、データ周りの監査対応などもやっています。HR事業はまだまだ立ち上げフェーズなので、明確に決まった守備範囲があるというよりも、自分の得意なデータ分析を活かして様々なソリューションを担当する立場だと思っています。

ただ、事業部側からはすごく頼られる一方で、データに対して夢がふくらみすぎている場合もあって、魔法使いだと思われていたりする(笑)。その辺りの期待調整もしつつ、実際にできることをしっかり説明することも大事ですね。

於保:私のような分析ができる企画者という役割の人が、チームにもう一人いて分担しながら仕事を進めています。具体的な業務としては効果測定、売上の管理・モニタリング、機械学習を使った企画を進行することです。

あとは、LINE Fukuokaのデータサイエンティストと事業部側とのハブの役割も仕事に含まれます。私はもともとData Labs※というデータ分析や機械学習の活用によって様々なサービスのサポートをする全社横断組織にいたこともあって。Data Labsの人は複数サービスを担当することが多く、色々なサービスのデータが見れるので、自分の技術や腕をあげるためにはとても良い環境でした。ただ、私は一つのサービスに専念したいという思いがあって、事業の判断とかの動きに寄り添って貢献することができるのは事業部専属のデータアナリストの良いとこだと思っています。

逆に、データアナリスト同士の横のつながりは正直今はあまり作れていなくて。今日の3人も実は初めましてですね(笑)。事業側とかの違う職種の人との連携が多いので、ビジネスへの理解や興味が強くて、データも得意という人が向いている仕事だと思います。

※Data Labsとは
Data Labsはデータ分析や機械学習の活用によってLINEのサービスの価値向上を目指す専門組織です。全社横断のプロジェクトはもちろん、各ファミリーサービスの成長をデータ活用の観点からサポートしています。LINE全体のデータ活用全般を統括するData Science and Engineering センターに所属しています。

鈴木:私も今、Data Labsと一緒にまわしているプロジェクトがあります。グロースハックプロジェクトというものでLINE Fukuokaで働いているData Labsのデータサイエンティストと一緒に事業KPIの統計的な観点で深い分析をしたり、場合によっては特定の施策に注力して分析結果に基づくデータドリブンな意思決定のサポートをしてもらったりしています。このプロジェクトでは私はサービス側の担当としてのディレクション業務がメインですね。

吉沢:私は事業寄りのスキルなので、Data Labsと連携して仕事を進めることが多いです。事業側で困っていることに対して、データでのソリューションを考えるのですが、それをどう技術で解決・実現していくかという具体的な相談や専門性のある高度な機械学習などはData Labsに力を借りる感じです。




――普段はどのような働き方をしていますか?

鈴木:時間的には、大体毎日10時すぎくらいに来て、帰るのは21時前後くらいですかね。用事があるときは18時半に帰ったりもしますし、繁忙期であっても22時くらいには必ず退社しています。

於保:私は鈴木さんと違って、お昼過ぎくらいにきて、打ち合わせやヒアリングをしたあと、いわゆる定時(18時半)が過ぎてから分析の業務に時間をあてています。裁量労働なのでそのあたりは自由に働き方を選択できていると思います。

吉沢:私も出社は11時くらい、退社は19時半くらいでしょうか。業務時間中は、打ち合わせはなるべく減らすようにしていて、1日5〜6時間は集中して自分の分析の業務をできています。



――必要なスキル、経験、素養は?

鈴木:最低限SQLを書けたりしないと仕事にはならないですが、一定のレベルがあれば大丈夫です。選考段階でもテストを受けてもらっていますし、極端なスキルは求めていませんが、データの専門家として色んな人の相談相手にならないといけないので、それができればという感じですね。

吉沢:そうですね。事業部にはどうやってデータを依頼したら良いのかがわからない人も多い。その点で、最低限のデータ分析スキルに加えてコミュニケーションスキルも大事です。普段からコミュニケーションをとって自分から課題を拾い上げるようにしています。なんでその数字が必要なのかを掘り出したり、本当に求められていることを引き出す力が必要で、それは事業部側じゃないと出来ない面白さかなと思います。

於保:そうですよね。例えば、企画職と営業職でも必要なデータや課題が全く違ってくるので、両方とそれぞれに合わせたコミュニケーションをとるようにしています。あと、必要なことでいうと、自分で課題設定して動ける人ですかね。待っているだけではやりたい仕事がこなかったりするので。これもうちの会社らしいポイントですかね、アレコレ自分で始めている人のほうが仕事としては充実している気がします。

――データアナリストとして、LINEの環境って?

鈴木:分析する環境を自社で持っているので、分析がすごくしやすい。提供されているツールも、ブラウザ上で好きなだけ分析ができる環境を整えてくれています。分析のしやすさは他社に比べても整っていると思います。自社にツールの開発者がいるので、何か不具合があったときにすぐに問い合わせできるし、要望についてもすぐ聞いてもらえるので助かっています。事業部側も無理なことは無理と説明するとわかってくれる人が多いので、やりやすいですね。どの部門が偉いとか上流だとかそういう考えがないので、ちゃんと役立つ仕事に注力できます。

吉沢:そうですよね、事業部の人もすごく優秀な人が多いので、データのことが詳しくわからないとはいえ、話はスムーズに進みます。また、私も同じくデータの環境はすごく潤沢だなと感じています。インフラとしていろんなツールが備わっているというのもあるんですけど、インフラ担当者への相談などが事務的ではなく、親身に相談にのってくれるというところが助かっています。

於保:事業部の人たちは、自分たちのプロダクトが好きですし、サービスの理解が深いです。これはLINE LIVEならではですけど、企画者はユーザーと実際にコミュニケーションすることも多いので定量面で測れない、定性面の補完を他のメンバーがしてくれます。データの環境に関しては、いろんなソースのログを一箇所で見れますし、データを仕事にしている人にとっての働きやすさも面白みもあると感じてます。

――LINEならではの働き方だと感じる点は?

吉沢:LINEには、ユーザーに驚きや感動=WOWを与えるという価値基準があって、それを実現するためのLINEらしいやり方・考え方をまとめたLINE STYLEというものがあります。そこで掲げられている言葉の一つに「Data Driven」というものもある。でも本来データって驚きの発見というよりは、確実・妥当なことを導くためのものなので、この辺の両立が難しいです。データから見える着実なことも大事ですが、そこからインパクトある何かを見出すことも求められていると思います。

鈴木:LINEアプリ自体もそうですが、LINE NEWSはユーザー数がMAU6,800万(2019年7月末時点)と多くてその属性や趣味志向の幅も広いので、ペルソナを作ること自体が難しく、正直まだ課題があります。これだけ多くのユーザーが使っているサービスにおいて、サービスとしてやユーザーごとの最適解を提供するためにチャレンジを続けることは、他ではできない経験だと思います。LINE NEWSも今後データを活用してやっていかないといけないことが山積みですが、常に高いレベルで改善を目指しているのはLINEらしい部分かなと思います。



――こういう人に向いてる、という人物像はありますか?

鈴木:良くも悪くも、自分で動かないといけない環境なので、やりたいことを見つけて、突破できる人は向いていると思います。逆に何でも良いからどんどんくださいという受け身だけのスタンスの人は、周りから見ると仕事の相談の仕方もわからなかったりするので、自分が何ができるとか何がしたいとかのコミュニケーションはできたほうが良いです。あとは、本当の課題は何かと突き詰めて考えられる人は楽しいと思います。

LINE NEWSだと直近では動画に力を入れてみたり、ニュースの個人化(パーソナライズ)を進めているタイミングなので、変化を楽しめる人には良いと思います。分析をして、企画に落とし込むところまでを役割として担当できるので、自分のやりたいことがある人と働きたいです。あとは何よりLINE NEWSやメディアというものが好きな人が良いですね。

吉沢:HRサービス事業部は人に関するデータを扱う事業部で、内面的なことを科学する必要があります。目に見えないものをデータで科学するというところに興味ある人はすごく面白いと思います。

あと、データはあくまで手段であって、世の中の仕事や働く環境・習慣を改善していくのが仕事です。事業部のミッションである「人が前向きに働ける世界をつくりたい」ということを一緒に目指せる人。もちろん担う役割としてデータの活用がタスクなのですが、その先にいるユーザーや事業の全体像を考えられる人だと上手く馴染めると思います。

於保:LINE LIVEでは、成長している市場や新しいビジネスモデルの分析ができる点が面白いところです。一方で、ユーザーの人間的なところを深く理解することも必要です。なんとなく見ているのが楽しいとか、そういう感情的な定性面を定量化しないといけなくて、しかも配信中にしか起きない事象やアクションがたくさんあります。分析できる間口が小さかったり、限定性のあるものだったりすることが、逆にチャレンジングで面白いと思っています。こういう部分に共感いただける方は向いてると思います。

正直、データだけ見てもわからないことが、動画を見たり配信者の声を聞けばすぐにわかることもよくあるんです。データだけではなく様々な人の声や感覚も含めて、課題解決したい人は楽しく感じると思います。




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データアナリスト/Data Analyst

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