8割が単位認定利用 在籍校に確認を
「1年間留学しても、元の学年に戻れますか?」
これは留学を考えている高校生からよく寄せられる質問です。学校が生活の中心である中高生の皆さんにとって、留学後の自分に帰る場所があるかどうかは、実は費用や語学力よりも気になるポイントかもしれませんね。
答えは、イエスであり、ノーでもあります。
日本の教育制度では、留学体験を単位として認定し、元の学年に戻すかどうかは、皆さんが通っている日本の高校が判断しているのです。
文部科学省のデータによると、約82%の生徒が、単位認定を受けて元の学年に戻っています(「高校生の留学生交流・国際交流等に関する調査研究等」から)。認定にあたっては、学校が留学中にリポートを課すなど条件を設けている場合があります。
一方で、下の学年に入ることを必須としている学校もありますので、高校生の方は在学校、中学生の方は進学希望の高校の方針を確認してみてください。
学校によっては、生徒が希望を出せるケースもあります。その場合はどちらを選択すべきか、それぞれのメリットを考えてみましょう。
元の学年に戻るメリットは、なんといっても友達と一緒に卒業できること。特に中高一貫校に通っていたり、先輩後輩の上下関係が強い部活に入っていたりする生徒は、この点を重視する傾向があります。授業料が3年分で済むという経済的利点もあります。
休学して1年下の学年に入るメリットは、日本の授業をもれなく受けられ、じっくり進路を考えられることでしょう。また、元の学年と1年下の学年の両方に友達のコミュニティーができたことが思わぬ収穫だったという声も聞かれます。
いずれにしても日本の高校生活をいったん手放すことになる長期留学ですが、ある先輩は「ものすごく自分を育てる時間で、必ず取り返すことができる1年」だと語ってくれました。逃すものではなく、得られるものにぜひ目を向けてみてください。
(AFS日本協会広報・藤澤紀子)
※学校教育法は「校長は、留学することを許可された生徒について、外国の高等学校における履修を高等学校における履修とみなし、36単位を超えない範囲で単位の修得を認定することができる」と定めています。
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