高松信用金庫(高松市)は5日、新理事長に大橋和夫常務理事(60)が昇格するトップ人事の内定を発表した。理事長はこれまで日銀や財務局などの出身者が就いており、同金庫生え抜きの理事長は発足以来初めて。6月24日に予定している総代会・理事会で正式決定する。蓮井明博理事長(63)は役員を退任し、常勤顧問に就く見通し。
大橋氏は高松市出身。1977年に高松商高を卒業後、同金庫に入庫。丸亀、栗林、観音寺の各支店長や常勤理事総務部長を歴任し、2015年から常務理事業務推進部長。総合職と一般職に分ける現行の人事制度への見直しを13年に行ったほか、女性の創業などを後押しする「キャリスタ塾」や、子どもを対象に多彩なイベントを催す「キッズクラブ」の立ち上げで指揮を執った。
同金庫は、生え抜きの理事長を望む声が総代から上がっていたことなどを踏まえ、大橋氏のトップ内定を決めた。
蓮井氏はさぬき市出身で、11年に日銀から招聘(しょうへい)され、翌12年に理事長に就任。「相互扶助」を理念とする信用金庫の原点回帰を掲げて経営に当たり、預金先数の拡大など顧客と営業の基盤を強化。信金中央金庫(東京)と連携し、訪日外国人客の誘致やキャッシュレス社会を見据えた事業も推し進めた。
理事長の退任は今年、創立70周年の節目を迎えた上、令和の新時代に入ったことから、経営体制の刷新がふさわしいと判断したという。常勤顧問として、新理事長のサポートを行う。
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