8日午前、国指定史跡の丸亀城(丸亀市一番丁)で南西部に位置する帯曲輪(おびぐるわ)石垣の西面が広範囲に崩落した。9月末の台風24号の影響とみられ、崩落箇所は幅約18メートル、高さ約16メートル。7月の西日本豪雨の影響で崩れた隣の南面石垣の一部も崩落した。上部の三の丸石垣も崩れる恐れがあり、丸亀市教委が被害の拡大防止へ対策を検討している。
写真㊦は崩落前、8日午前9時40分撮影。
市教委によると、同日午前7時すぎ、市民から「丸亀城の石垣から音がする」と通報があり、市文化財保護室の職員が現場に急行。石垣内部で石が転落する音を確認し様子を見守っていたところ、同10時15分ごろに大きな音とともに石垣が崩れ、白煙が立ち込めたという。人的被害はない。
崩れた西面石垣は老朽化のため、以前から修理を予定していた箇所。防水シートを張り、石垣の側面には大型の土のうを積んでいた。台風25号を受け、めくれていたシートの補修を職員が7日に行った際、設置している伸縮計が石垣の異常を計測。内部で石が転落する音が聞こえたため、警戒を続けていた。
石垣は台風24号による雨水の浸透で地盤が緩んでいたとみられるという。崩れた石垣は下方の木々をなぎ倒し、さらに下の城内グラウンド跡にまで大きな石が転がり落ちている。
11月にも南面石垣の修復工事に着手しようとしていた矢先の崩落で、市教委は今後、専門家や文化庁、県教委と協議し、対策を講じる方針。
梶市長は「丸亀城は市民の心のよりどころ。これ以上崩れないよう修復に向けたペースを速めていただけに本当に残念。1日も早く修復に取り掛かりたい」としている。