本屋さんにはたくさんの本があふれ、お子さんに手渡す1冊に迷ってしまうことがありますよね。子どもの本の専門店・ちいさいおうち書店(長野県松本市)の店長・越高一夫さんが、最近出た本の中から、おすすめの3冊を紹介します。今日は、高学年からの1冊です。
『夕焼け色のわすれもの』
作 たかのけんいち、絵 千海博美、講談社、1512円
忘れ物を届けに団地へ行くと
小学6年生の翔太と純は、転校生が忘れたプリントを届けるために団地を訪れます。ところが、その団地のようすがいつもとちがうので、とまどってしまいます。見かけたことのないトーテムポールが立っていたり、昔の子どもたちが遊んでいたりと、まるでタイムスリップしたような光景が現れたのです。
転校生の佐山厚司が住んでいるはずの部屋にはちがう家族が住んでいて、翔太はプリントをわたすことはできませんでした。古書店を開いているじいちゃんにそのことを話すと、「もう団地へは行かないほうがいいかもしれんな」と言います。翔太には、じいちゃんが何かかくしているように思えました。
ある日、翔太が古書店の店番を手伝っているときに、『夕映えのやくそく』という本を見つけて読み始めます。するとそこには、この前ふしぎな体験をした団地とそっくりのことが書かれていて……。
思わぬできごとが連続しておこる展開がおもしろく、なぞ解きをしながら最後まで一気に読むことができます。
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