学校行事や家族で、工場見学に行ったことがある人も多いでしょう。1か月ほど前「中華まんミュージアム」が埼玉県にオープンし、4月まで予約がいっぱいになるほど人気を集めています。工場見学のガイドブックを作っている人に、見学先の選び方やおすすめ施設などを聞きました。(小勝千尋)
機械が動く様子はまるでSF
映像で歴史を解説
中村屋の「中華まんミュージアム」は、埼玉県入間市の武蔵工場の敷地内にあります。中華まんを作る工程を見学できる施設です。
入り口で、まず目に入るのは中華まんの形をしたソファです。気分を盛り上げてシアターゾーンに進むと、映像で中華まんの歴史が学べます。
そして、長い廊下をたどり、いよいよ工場見学へ。小麦粉などをこねた生地を発酵させ、具を包み、蒸しあげる工程や、冷まして袋につめる工程を、200メートルにわたり、通路の窓ごしに見られます。出荷するために次々と箱づめする機械は、まるでSF映画に登場するロボットのようです。
見ることができない工程は、映像やパネルを使って、ガイドの人が解説してくれます。この工場では、1日あたり約40万個の中華まんを作ることができるそうです。
生産工程の見学を終えると、ポイントをおさらいするコーナーがあり、中華まんの具材に関連したパズルも遊べます。最後に、中華まんを試食できます。「みなさんも、ここが一番楽しみなのではないでしょうか。帰り際に、おみやげのプレゼントもしています」と広報・CSR部の冨田祐司さんは話します。
ミュージアムは武蔵工場を造る計画が立った時、商品のファンを増やすため、見学できる施設も必要と考えたそうです。「直接作る工程を見てもらうことで、親近感や信頼感を持ってほしいと思いました」
見学は無料。予約制ですが、4月末まで予約はいっぱいです。5月からの休館をはさみ、予約再開は7月上旬からホームページで案内する予定です。くわしくは、https://www.nakamuraya.co.jp/factory/へ。
体験型のサービス増える
工場見学について、ガイドブック『工場見学へ行こう 首都圏』(JTBパブリッシング)編集長の明石理恵さんは、人気の理由を「施設の多くは無料で見ることができ、子どもだけでなく大人も楽しめること」と話します。
最近は内容がさらに充実しているそうで、ただ見るだけでなく、運転のシミュレーションをしたり、写真撮影をしたりとさまざまな体験ができる施設が増えているのだそうです。
見学先を選ぶポイントとして、自分の好きなもの、身近なものを選ぶといいといいます。「よく知っているものの製造ラインなどは、好奇心を持って見ることができます。見るだけでなく、体験できるものには積極的にチャレンジしてみると、いい思い出になります」
おすすめの施設
明石さんに聞いたおすすめスポットをもとに、編集部でまとめました。予約が先々までうまっている施設もあるので、長期的に計画を立ててください。
試食が魅力
▽赤城乳業「本庄千本さくら『5S』工場」(埼玉県)=写真(1)
▽ロッテ「浦和工場」(埼玉県)
▽シャトレーゼ「白州工場」(山梨県)
▽明治「明治なるほどファクトリー大阪」(大阪府)
▽ヤクルト「福岡ヤクルト工場」(福岡県)
土地の名物や歴史がわかる
▽崎陽軒「横浜工場」(神奈川県)=写真(2)
▽桔梗屋「桔梗信玄餅工場テーマパーク」(山梨県)
▽春華堂「うなぎパイファクトリー」(静岡県)
▽おたべ「おたべ小路工場見学」(京都府)
▽ひよ子「穂波工場」(福岡県)
乗り物好きなら
▽日本航空「JAL工場見学~SKY MUSEUM~」(東京都)=写真(3)
▽トヨタ「トヨタ会館」(愛知県)
▽ホンダ「狭山完成車工場」(埼玉県)
外部リンク