県内の児童・生徒の間で、会員制交流サイト(SNS)のやり過ぎなどのインターネット依存、オンラインゲームなどに熱中し生活に支障をきたす「ゲーム障害」の恐れが強まっている。
県教委が2017年度に県内の小学4年~高校生を対象に行った調査によると、平日1日のスマートフォンやゲーム機などの利用時間を「3時間以上」と答えた児童・生徒の割合は、小学生16・6%、中学生27・3%、高校生は38・8%に上った。うち「5時間以上」は小学生5・8%、中学生9・7%、高校生14・7%。長時間利用に加え、小学生の4人に1人が「利用に悩みや心配事がある」としており、生活習慣の乱れなども懸念される。
ネット依存などは全国的に問題化しており、県教委は17年度調査で、スマホやゲーム機などの依存傾向に関する設問を初めて盛り込んだ。
結果をみると、スマホやゲーム機の平日の利用について「1時間以上」としたのは、小学生で2人に1人、中学生は7割、高校生は9割に上った。学年が上がるにつれ、長時間利用が顕著にあらわれている。
調査結果からは、SNSだけでなく、スマホやゲーム機によるオンラインゲームに夢中になっていることもうかがえる。週1回以上利用しているアプリに関する質問(複数回答)では、小学生のトップは動画サイトで63・2%、次いでオンラインゲームが39・8%。中学生、高校生はLINEやツイッターなどのSNSが目立つ一方で、オンラインゲームは小学生同様、4割程度を占めた。オンラインゲームの1カ月の課金状況を尋ねたところ、小学生、中学生は各2・7%が3千円以上課金していた。
一方、スマホやゲームの利用に関し、小学生の24・5%、中学生の37・4%、高校生の47・9%が「悩み事や心配事がある」と回答。理由の1位は全校種とも「勉強に集中できない」で、小学生は8・7%、中学生は17・7%、高校生は4人に1人の25・7%。2位は全校種とも「寝不足」で、生活リズムの乱れや健康面での悩みも目立つ。
ネット依存症を巡っては、厚生労働省の研究班が18年9月、病的なネット依存が疑われる中高生が5年間でほぼ倍増し、93万人に上るとの推計を公表した。背景には、SNSやオンラインゲームの利用の広がりがあるとみられる。県教委の調査は毎年行われていないが、全国同様、ネット依存が疑われる児童・生徒は増加傾向にあるとみられる。