携帯電話やスマートフォンをやめられなくなる依存症や、いじめにつなげないようにするためには、使い方を親と相談し、決めておくことが大事です。小中学校などでスマホ依存対策などの講座を開く団体「エンジェルズアイズ」の遠藤美季さんに、どんなことに気をつければよいのか聞きました。(畑山敦子)
ルール守れるかチェックする
無料通信アプリの「LINE」で友だちとグループでやりとりしていたら誰かの悪口になり、いじめにつながった。短い動画をつくって共有できる「TikTok」などアプリで撮った動画が、公開されたくないのに広まってしまった――。
遠藤さんがこれまで子どもや保護者から受けたスマホや携帯の相談の中には、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、動画、ゲームでトラブルになった例が多いと言います。
遠藤さんは「親子の連絡用なら機能を限定したキッズ携帯でも十分ですが、スマホを持っていないとゲームなどの仲間に入れないから、といった理由でほしいと親に相談する子もいます」と言います。
学校にスマホや携帯を持ちこむことについては、朝日小学生新聞読者へのアンケートでも「校内で使わないというルールがあったとしても、好奇心で使ってしまうおそれがある」などの声が寄せられました。
遠藤さんは「大人が見ていないところでルールが守られないこともあります。どんなトラブルが起こるか子どもに伝え、ルールを守っているか親が見守ることが大切です」。
スマホや携帯電話を持ったら、まず画面を開くためのパスワードを設定し、忘れないようメモしておきます。パスワードは保護者にも伝えます。なくした時などに個人情報がもれるのを防いだり、他人が勝手に使えないようにしたりするためです。
規約や年齢確認する
アプリをダウンロードする時も、おもしろそうという理由だけでなく、「規約(契約内容)」「利用がのぞましい年齢」を確認してほしいと言います。
有害なサイトにアクセスして見られないようにフィルタリングを設定する時には、「携帯電話会社のサービスだけでなく、Wi―Fiでも接続を制限できるフィルタリングを設定すると安心です」と言います。
利用目的や時間を決めておく
ゲームや動画に夢中になって何時間もスマホを使ってしまったり、友だちからメッセージがくると、すぐ返さなくてはとSNSを開いたり……。そんなことが続くと、日常生活がスマホに振り回される「スマホ依存」になりかねません。「目的がある時だけ利用することや、平日、休日で使える時間を決めましょう。あらかじめ1日に見られる動画の本数を決めておく方法もあります」
友だちと連絡先を交換する時に、メッセージにすぐ返信できない場合もあることや、全てのメッセージに返信できないなど自分の状況を伝えておくのもよいと遠藤さんは言います。メッセージのやりとりでは「相手の気持ちや、受け止め方を親と一緒に考えてみましょう。トラブルが起きたらどうするか相談しておくのもいいと思います」。
使い方を見て助言を
保護者には「正しい情報の見分け方やSNSのやりとりがいじめにつながっていないかなど、子どもがうまく使えるようになるまで内容を確認し、気になる時はアドバイスをすることも必要」と呼びかけます。
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