2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は1日、来年3月26日から47都道府県を巡る五輪聖火リレーのルート概要を発表した。香川は4月18日に宇多津町を出発し、翌19日の高松市が最終地点で、島しょ部を含む全8市9町を通過する。日本一の高さの石垣がある丸亀城(丸亀市)や四国と本州を結ぶ瀬戸大橋(坂出市)、水面に空や人影が鏡のように映って美しい写真が撮れると人気の父母ケ浜(三豊市)などを望むルートになる見込みで、ランナーは2日間で最大180人程度。実際に走る詳細ルートは組織委が年末までに決め、公表する。17日から始まるランナー募集の概要も発表した。
県内の聖火リレーは徳島県から入り、4月18日に宇多津町をスタート。丸亀市、まんのう町とつないだ後、直島町へと向かう。その後は再び西へと移動し、琴平町、善通寺市、多度津町、三豊市を回り、1日目のゴール地点となる観音寺市に。同市の観音寺まちなか交流駐車場では、聖火の到着を祝う式典を開く。
2日目となる翌19日は、坂出市が出発地点。聖火は綾川町を通過した後、土庄、小豆島の2町へ。東かがわ市、さぬき市、三木町を経て最終地点の高松市で締めくくる。同市の玉藻公園桜の馬場で式典を開催後、高知県へと引き継ぐ。
限られた時間で確実にリレーを行うため、直島や小豆島には聖火の種火をランタンで事前に運んでおき、県本土側で火を消すと同時に各島でトーチに点火する「瞬間移動」を採用する。
1964年東京五輪の県内の聖火リレーは東讃が中心で、徳島県から引田(現・東かがわ市)に入り、津田(現・さぬき市)などを通過して高松市に到着後、岡山県へ向かうコースだった。20年東京五輪のルート案をめぐっては、県実行委員会(会長・浜田知事)が全17市町を盛り込んだ案を組織委に提案していた。
組織委によると、聖火リレーで通過する全国の市区町村は日本全体のほぼ半分の857で、121日間で約1万人がリレーする。東日本大震災などの被災地、各地の世界遺産や名所を組み込み、「復興五輪」の理念とともに地域の魅力を発信する。リレーを行う市区町村に車、電車などで1時間以内に行ける自治体の住民数を全人口で割った「人口カバー率」は98%に上るとし、全国的な盛り上がりを強調。特別な事情があればルートは微調整するという。
各日のリレーは午前10時ごろから午後8時ごろまで。自治体間の聖火の移動は主に車を使う。スタートは原発事故の対応拠点となった福島県楢葉町、広野町のサッカー施設「Jヴィレッジ」。7月24日の開会式で新国立競技場の聖火台に点火する。
聖火ランナーには08年4月1日以前に生まれた人が応募できる。走りたい都道府県に何らかの縁があることが条件。17日以降、スポンサー企業や各地の実行委員会が順次、募集を始め、選ばれた人には12月以降に通知する。1日に東京都内で開かれたイベントでは駅伝のたすきをモチーフにしたランナーのユニホームも披露された。
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