「本屋さんの一期一冊」
書店員さんが、今おすすめの1冊を紹介します。
『天才はあきらめた』
お笑い芸人「山ちゃん」こと山里亮太さんが、芸人としての道のりを自ら描いた作品です。とはいえ、それは決して感動で彩られてはいません。
ひたすらつづられるのは、異常な努力の方法や、自分をばかにした人たちへの復讐心、また、相方を自分の思い通りに支配しようと無理難題をふっかけては嫌われていく日々のこと……。
「夢に向かって頑張る」というフレーズが使われるとき、私たちは無意識にそれをポジティブなイメージに限定しようとしてしまいます。しかし、ネガティブな気持ちを煮詰めてこそ花咲く人もいる。この本はそんなことを教えてくれます。
焦りや劣等感でいっぱいで、そんな自分が嫌だと思っている人に、ぜひ読んでほしい一冊です。(東京・HMV&BOOKS 日比谷コテージ 花田菜々子)
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