俳優 加藤諒さん
1978年に連載が始まったギャグ漫画「パタリロ!」が実写映画化された。原作そのままの、はちゃめちゃな展開で、一気に「パタリロワールド」に引き込まれる。
まさに漫画から飛び出してきたようなビジュアルで、主人公のパタリロを演じた。2016年に舞台化もされた本作。「こんなに役に愛を注いだことは初めて」と言うくらい、思い出深い作品となった。得意なダンスも披露した。「好きでずっと習っていたダンスが形になってうれしかった」と振り返る。加藤さんが生き生きと歌い、踊る姿がまさに映画の見どころだ。
漫画原作の役を演じることが多い。自身も「小さい頃から『漫画顔』と言われています。現実の世界よりも漫画の世界の方がなじむタイプなのかもしれない」と笑う。ただ、原作のキャラクターに「寄せる」ことはしない。「寄せちゃったら、僕が演じなくてもいいと思うんです。原作も読みますが、それに合わせるのではなく、自分に寄せていく感じです」
小さい頃からテレビタレントとして活躍していたが、本格的に役者を目指したのは中学生の時だった。高校卒業後は多摩美術大学に進学し、演劇を学んだ。当時、親は「資格の取れる分野を学んでほしい」と、美大の受験に反対したが、押し切った。「高校の音楽の先生に『最終的に決めるのは加藤くんだよ』と言われたんです。もし、親の望む道に進んで、後悔することがあったら親のせいにしてしまうから――」
大学ではたくさんのことを学び、多くの人と出会うことができた。「大学は、本当に行ってよかったと思う。当時、自分のしたいことを主張できたから、今がある。そう思います」
メッセージ
僕と同じように進路で悩むことがあるかもしれません。そんな時、「○○がこう言ったから」と、誰かがすすめるままに決めてしまうと、もしその後、失敗したときに人のせいにしてしまうと思います。だからこそ、進路は本当に自分がしたいことを考えて、自分の意志で決めることが大切だと思います。
1990年2月13日生まれ、静岡県出身。10歳の時、バラエティー番組「あっぱれさんま大先生」でデビュー。出演作に、ドラマ「主に泣いてます」、映画「翔んで埼玉」など。「劇場版パタリロ!」は公開中。(文・近藤理恵、写真・品田裕美)
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