4月26日の瀬戸内国際芸術祭2019の開幕まで、あと1カ月に迫った。会場となる各島には参加作家が続々と来島し、急ピッチで作品制作を進めている。高松市庵治町の大島には25日、現代美術家の鴻池朋子さん(59)=埼玉県日高市在住=と山川冬樹さん(45)=横浜市在住=が来島。春本番を間近に控えた瀬戸内の島は、にぎやかさを増している。
鴻池さんは、1933(昭和8)年に国立ハンセン病療養所・大島青松園の入所者が切り開いたが10年ほどほとんど人が立ち入っていなかった島北部にある散策路を、再び切り開くプロジェクトを展開。この日は散策路を整備したり、設置場所を探したりした。
16年に続き2度目の参加となる山川さんは前回の芸術祭では、愛媛県松野町出身で戦後モンゴルに抑留された同園の入所者で歌人の政石蒙(もう)さん(故人)にスポットを当てた作品を制作。この日は夏会期に向け、新作を展示する会場の採寸などを行った。
瀬戸芸初参加の鴻池さんはすでに入所者から昔の話を聞き取ったといい、「ハンセン病のこと以外にも、まだまだみんなが知らない大島がある」と語った。山川さんは前回の作品に続き「アートを通じて、大島と別の場所とをつなぎたい」と意気込んでいた。
同芸術祭は、春会期が4月26日~5月26日、夏会期は7月19日~8月25日、秋会期は9月28日~11月4日の計107日間開催。春会期は直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島、沙弥島、高松、宇野港周辺が舞台となる。
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