中学受験の準備を進めるみなさんに向け、早稲田アカデミーの福田貴一先生が受験に役立つ情報を伝えます。今回は「冬休みの過ごし方と心構え」についてです。
学年に合った目標を持つ
今年もあとわずかとなりました。受験生にとっては受験直前で、ラストスパートの時期ですね。正念場となる冬休み。どのように過ごすかが、とても大事になってきます。
言うまでもないことですが、次年度以降の受験をめざす他学年のみなさんにも冬休みには有効な過ごし方があります。5年生なら、1年後の「受験生の冬」をイメージできるチャンス。受験学年をむかえるための気持ちの準備ができるでしょう。3、4年生は塾の新学期である2月を前に「新学年に向けて、やるべきこと」を、保護者と話し合うのがいいでしょう。
イベントも楽しんで!
「新学年に向けて、やるべきこと」は、大きく分けて二つ。一つ目は「苦手単元の見直し」です。1年間のテストなどを確認し、科目ごとに弱い単元を見直してください。
そうすると「意外とすんなり解けた」という場合があるものですが、それは、ほかの単元を学んだことによって別の角度から問題を見られるようになったため。成長の一つの現われです。やはり苦手なまま……という場合は、新年度の課題として、後日、改めて取り組みましょう。
二つ目は「学習・生活の習慣の見直し」。勉強に集中できる時間と環境は、子どもの成長とともに変わってきます。いちばん集中できる時間帯と環境について、親子で話し合いましょう。
一方で冬休みには、クリスマスや年末、お正月などもひかえています。そういったイベントや行事もしっかり行ってください。子どもには学習だけでなく、いろいろな経験も必要です。生活リズムをくずさないように気をつけながら、冬のイベントを楽しんでください。余談ですが、過去には難関校の入試で「おせち料理」に関する問題が出されたことがあります。
やってきたことを続けよう
さて、受験生は冬休みをどう過ごせばよいでしょうか。情報誌などでは「冬休みから1月は調整期間にあてる」などと書いてあります。確かに体力面、精神面の調整は必要でしょうが、私は全面的には賛成できません。
残り1か月となっても、成長過程にある小学生は、ここからまだ伸びるのです。
最後の模試が行われる12月までよい成績が出なかった受験生が、これまでたくわえた力を1月になってから発揮する。最後まであきらめなければ、こうしたことが起こるのです。志望校の合格に一歩でも近づくよう、冬休みは「調整」だけでなく自分の学習を続けてください。もう一息です。がんばろう!
* *
福田貴一 早稲田アカデミー千葉・城東エリア統括責任者、錦糸町校(東京都墨田区)校長
外部リンク