本屋さんにはたくさんの本があふれ、お子さんに手渡す1冊に迷ってしまうことがありますよね。子どもの本の専門店・ちいさいおうち書店(長野県松本市)の店長・越高一夫さんが、最近出た本の中から、おすすめの3冊を紹介します。今日は、高学年からの1冊です。
『火星のカレー 宇宙人たちのひみつ』
作 斉藤洋、絵 高畠純、講談社、1404円
ほかの人には言わないでね
この本には、宇宙人のひみつが書かれています。あとがきに、「この本で知ったことは、だれにもしゃべらず、あなたひとりの、あなたというひとりの地球人のひみつにしたほうがいいのです」とあるので、ここで紹介するのもためらわれます。しかし、このお話を届けたいという一心で、勇気を出しますね。
作者は、太陽系の星あてに「念波」を送り続けているそうです。ここにつづられているのは、宇宙人からの返事をまとめたものだといいます。「火星人さん。あなたのひみつを教えてください」という念波に対する答えが「火星のカレー」というお話になり、「すべり台の下の桜」というお話は、木星人のひみつがもとになっています。
お話によると、かつて火星には海があり、おいしい水もあったのに、地球人がカレーを持ちこんでからというもの、カレーを食べるたびに水をがぶ飲みしたので、火星には水がなくなったそうです。
本当かな?と思いながら楽しめる、不思議でゆかいな物語です。
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