四国新聞社が県内経済を支えるリーディングカンパニー200社を対象に行った景気動向アンケートで、景況感は大半の業種が「拡大局面」としたが、海外経済減速の影響を受ける製造業のほか、個人消費の冷え込みで小売業や卸売業で悪化し、業種によってばらつきが目立つ「まだら模様」となった。全体では3年ぶりに「後退」が「拡大」を上回った。2019年度の業績見通しは、売上高で4割超、経常利益は3割超が18年度より上向くとみているが、米中貿易摩擦の激化や10月に予定される消費税率の引き上げで先行きは不透明感を増している。
調査結果によると、県内の景気について「緩やかに拡大」とみる企業は15・1%、「横ばい」は65・1%、「後退」「緩やかに後退」は19・9%だった。「拡大」はなかった。
県内企業の景況感は東日本大震災から2年後の13年調査から回復傾向を示し、16年調査では海外経済の減速などで「後退局面」が「拡大局面」を上回り、17、18年調査では再び「拡大局面」が多くなっていた。今回調査では、3年ぶりに「後退局面」が「拡大局面」を上回った。
景況感を業種別にみると、大半の業種が「拡大局面」もしくは「横ばい」の傾向を示した。観光客の増加などを背景にサービス、運輸は全社が「拡大局面」か「横ばい」と回答。一方で、製造、卸売、小売は「後退局面」が「拡大局面」より多くなった。
19年度の売上高見込みは、「大幅に増加」もしくは「増加」が41・1%。前年から2・2ポイント増え、4割を超えた。「横ばい」は36・4%(前年比3・2ポイント減)、「減少」「大幅に減少」は22・5%(同1・0ポイント増)となった。
経常利益の見込みは、「大幅に増加」「増加」が33・4%(同5・6ポイント増)と3割を超えた。「横ばい」は38・8%(同2・2ポイント減)、「減少」「大幅に減少」は28・0%(同3・3ポイント減)だった。
景況感が悪化する小売は19年度の売上高、経常利益とも「減少」と見込む企業が「増加」より多かった。10月に予定される消費税率引き上げの影響が大きいとみられる。
急激に深刻化する米中貿易摩擦については、35・4%が業績への影響が「大いにある」「多少ある」と回答。「分からない」も22・0%だった。消費税率引き上げの影響については66・9%が「大いにある」「多少ある」とした。
■アンケート
売上高や業種を考慮し、県内主要企業200社を対象に実施。150社(製造業58社、非製造業92社)から回答を得た。調査期間は4月19日~5月27日。
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