空からのたより
いよいよ待ちに待った夏休み! 暑い夏は水辺のレジャーが人気ですが、みなさんは川で遊んだことはありますか?
川は、海やプールにはない魅力があります。水生昆虫や川魚を探したり、カヌーやラフティングにチャレンジしてみたり。川で遊ぶと、自然の大切さや命の尊さなどたくさんのことを学ぶと思います。
川遊びは楽しい半面、こわいのは事故です。毎年悲しいニュースを耳にしますが、子どもの水にかかわる事故の多くは川で起こっています。去年の7月から8月に水の事故で亡くなった中学生以下の子どものうち、川は全体の50%、海は28・6%(警察庁調べ)でした。
川での事故を防ぐためには、天気に気をつけて遊ぶことが大切です。川は自然そのものだから、天気の影響をとても受けやすいのです。川遊びを予定している日の天気予報は必ず確認して、もし悪天候になりそうだったら、無理をせず計画を変更しましょう。
川に着いてからは、お父さんやお母さんなど大人にスマートフォンで雨雲の様子や水位など、最新の様子を確認してもらってください。
一番注意しないといけないのは、川の上流だけ雨が降るパターンです。夏におなじみの「ゲリラ豪雨」の雨雲やかみなり雲は、せまい範囲に激しい雨を降らせます。
遊んでいる場所はよく晴れているので油断していると、はるか上流から雨水が一気に流れこみ、急に水かさが増えてあっという間に水の中……ということもあります。
川の水が流れてくる方向の空に、黒っぽい雲やモクモクした背の高い雲が見えたり、ゴロゴロとかみなりの音が聞こえてきたりしたら、すぐに川から出て避難してください。急に落ち葉や流木、ごみが流れてきたり、水がにごったりするのも、川の水が急に増えるサインです。
注意点が多くて、川で遊ぶのがこわくなってしまうかもしれませんね。でも、川に限らず自然の中で遊ぶのは危険をともなうもの。天気のことを気にかけながら、安全に遊べばこわくありません。
すてきな夏の思い出をつくってくださいね。
参田佳織 さんだ・かおり 日本気象協会気象予報士 香川県出身。2004年から7年間、ラジオやテレビで気象解説を担当。現在は、新聞のコラムなどを執筆している。
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