高校入試、大学入試ともに結果が出始めています。中3や高3のみなさんは受験を終えてからの時期をどのように過ごすと、4月からの生活をより充実したものにすることができるのでしょうか。進学に向けて、取り組んでおきたい事柄や心構えについて紹介します。(編集委員・大島淳一)
高校へ進学
補強と先取りで弾みを
受験に向けての取り組みで得た「財産」を活用したり、見聞を広めたりするのがポイントです。まずは、高校に進学する場合からみていきます。
入試を終えると、勉強中心の毎日から解放され、ついだらだら過ごしてしまいがちです。大きな目標をクリアしたことで、なかなかやる気がわかないかもしれません。「1日に1、2時間」と目標を掲げるのがおすすめ。受験勉強をしていたときに「本番で出題されないでほしい」と感じていた単元や分野を補強します。プレッシャーがなくなり、リラックスした気分で問題と向き合うと「こう解くんだ」と、こつをつかめることがよくあります。
進学先の高校によっては、中学の勉強を復習したり、4月からの授業を予習したりする課題が出ることがあります。こうした勉強に取り組むことで「これまで」をふり返り、「これから」をイメージできます。
たとえば、中学で学んだ数学の「因数分解」や「連立方程式」は高校入学後、それらを応用した単元から授業が始まる場合がめだちます。英語の場合、大学受験用の単語帳を入手し、暗記に力を入れるのも一つの方法です。
高校では勉強の進み具合がはやくなり、量が増え、難易度も高くなります。入学してからしばらくは勉強のペースをつかめないかもしれません。気がついたら成績が急降下といったことがないよう、軽めでかまわないので「先取り」に取りかかります。
大学へ進学
読書で視野を広く持つ
大学に進学する場合、自分自身の視野を広げることを意識します。効果的な方法が読書です。専攻(研究)する分野はもちろん、専攻とは異なるジャンルの作品を読むことで、ものごとをとらえるときの視点や着眼点を増やせます。
ただし大学生になれば、自然に読書の習慣が身につくというわけではありません。時間に余裕があるこの時期を利用して積極的に本を手にしましょう。おすすめは新書。「リポートのまとめかた」「語学の学びかた」など入学してから役立つものだけでなく、文系や理系、人文・社会・自然科学を問わず、幅広い分野から興味をもった作品を読んでみます。
大学での学びは、英語を使う機会がぐんと増えます。合格をめざして高めた力を維持するなど、英語と接することを心がけます。インターネットで配信される動画を利用するのが一つの方法です。
履修登録や成績の確認、各種の通知など、大学ではパソコンを利用する場面も多くなります。表計算用のソフトを使ってリポートを仕上げたり、プレゼンテーション用のソフトで発表したり。授業(講義)で欠かせない道具になるので、基本的な操作方法をおぼえておきます。
思い描く将来から逆算
高校進学、大学進学のどちらにもあてはまりますが、4月からどのような生活を送りたいか、具体的な目標をもったり、計画を立てたりすることも欠かせません。「~をめざす」「~を実現する」と考えることで、より有意義な時間を過ごすことができます。
そのための「入り口」の一つになるのが、自分自身の将来を思い描くことです。どのような仕事に就きたいのか、どのような夢を実現したいのか、何となくであってもかまいません。
将来からさかのぼって「いま」の自分を見直すことで、高校や大学で取り組むべき事柄が明確になるはずです。
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