大いに遊び、「強敵」対策開始
これから入試をむかえるみなさん、もうひとがんばりです。ベストのコンディションで本番に臨んでください。
入試を終えたみなさん、お疲れさまでした。第1志望校に合格した人にとっても、目標に届かなかった人にとっても、受験に向けた取り組みで価値があるのは努力そのものです。残念な結果に終わった場合、受け入れるのに時間がかかるかもしれませんが、前向きなパワーにかえてほしいと願います。
受験を終えたら、次に待っているのは大学入試。「この時期から、その話をするか!」という声が聞こえてきそうですが、こちらは相当な「強敵」です。はやめに取りかかることが、より効果的な対策に結びつきます。春休みは、次の学年の「0学期」。今月から始めてください。
そうは言っても、みなさんの大半が「がんばってきたんだから遊びたい」と考えるはず。もちろん、大いに遊んでください。でも、期限を定め、少しずつ勉強を再開しましょう。
1週間は集中的に遊び、それから少しずつ、もとに戻すのが一例。1日に30分でも構わないので、頭を使い始めます。
取り組みたいことの一つは、中学で学んだことの総整理。これまで使ってきた問題集や参考書の復習から始めます。「見たくない」と感じるかもしれませんが、そこは我慢! 使い慣れた教材のほうが思い出すのに時間がかかりません。
もう一つは高校に向けての予習。書店で薄めの参考書を手にしたり、インターネットで配信されている動画を活用したりします。英検や漢検の勉強をするのもおすすめです。
新しい勉強法を楽しもう
大学入試はいま、大きくかわろうとしています。これまで以上に図や表が取り上げられ、より「考える」姿勢が求められます。勉強のやり方も少しずつかえる必要がありそうですね。
朝日中高生新聞の読み方を「3段階」にかえてみるのが一つの方法。
まずは本文(記事)全体を読みます。次に本文と一緒に盛り込まれている図や表を確認。そして、図や表を本文と照らし合わせ、本文で詳しく説明されている部分に線を引きます。この「線引き学習」は線を引きながら読むことで、頭のなかで大事な点が「流れてしまう」ことを防げます。
相反する考えが盛り込まれたコラムなどをもとに、200字で意見をまとめる勉強法も効果が期待できます。題材になりそうなのが、一つのテーマに対して3人ほどが意見を伝える朝日新聞の「耕論」というコーナー。複数の意見を読み取り、自分の意見を書く力は、新たな大学入試でも問われます。ぼくも塾の授業の冒頭で取り組んでいますが、確実に力がつきますよ。
この連載も今回で一度、着地します。勉強は生きているかぎりつづき、学ぶ楽しさに1日でもはやく気がついてもらえればと考え、3年間つづけてきました。高校受験はもちろん、大学受験でも使える勉強法を紹介してきましたのでこれからも使ってください。
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清水章弘(しみず・あきひろ) 私立海城中学高校、東京大学教育学部を経て、同大学院修了。勉強のやり方を教える塾「プラスティー」を東京と京都で経営。著書に『「苦手」も「キライ」も克服できる!「小学校の算数」が1冊でちゃんとわかる本』(PHP研究所)『勉強ができるぼくのつくりかた』(PHP研究所)など。
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