「使い終わったペットボトルを集めて、100%有効に使います」。こんな宣言を、飲料メーカーでつくる全国清涼飲料連合会が11月に発表しました。2030年度までに達成することを目指します。ペットボトルが街にポイ捨てされないように、専用の回収ボックスを置くなどの対策を進めていくといいます。(前田奈津子)
飲料業界 100%有効利用を宣言
お茶やジュースなどが入っていたペットボトルは回収後、より分けるなどの作業をへて、さまざまな製品になります。ペットボトルのほか、食品用のトレーや下じきに使われるシート、制服やランドセルに使われる繊維になることもあります。
製品の材料にならないものは、燃やすときに発生する熱を回収し、発電などに利用されます。熱回収という方法です。
全国清涼飲料連合会は、2030年度までにペットボトルを100%有効に使うという目標を示しました。家庭などから集めたペットボトルを製品としてリサイクル(再利用)したり、熱回収に回したりします。
2017年度のペットボトルの回収率は92・2%。リサイクル率は、84・8%(熱回収などはふくまない)です。これらの数字を上げる対策を進めていきます。
広報室長の甲斐喜代美さんは、「目標を発表することで、リサイクルなどについて考えてもらうきっかけになればいいと思います」。
専用の回収ボックス設ける
目標に近づくための取り組みの一つが、自動販売機の横に、「自販機専用空容器リサイクルボックス」と名前を統一したボックスを置くことです。
ペットボトル専用と、缶・びん専用を用意して、12月から国内の10か所ほどで、試験的に置いています。「専用」とすることで、ペットボトル以外を入れなくなるのではないかとの期待があります。
みんな協力してね
これまでも回収ボックスはありましたが、ごみ箱として利用する人が少なくありませんでした。回収ボックスに弁当の容器、レジ袋などが入れられ、ペットボトルがよごれていたり、傷んだりしていることがあるといいます。仕分けに時間がかかり、ペットボトルの状態によっては再利用に影響します。2月中旬まで利用状況を見て、今後の対策に生かすそうです。
近年、海の汚染につながるプラスチックごみが国際的な社会問題になっています。ごみが増える原因の一つに、ポイ捨てなどによって容器が散乱していることがあります。ごみを減らすためにも、「捨てない」という意識を広めていくことも必要と考えられます。
家庭でできることはあるのでしょうか。甲斐さんは、収集所などにペットボトルを出す前に、ふたをはずして、中をすすいでほしいといいます。
外出先で飲んだペットボトルはできる限り持ち帰り、捨てるときは、飲み切って中身が残っていないようにします。水分が入っていると別の容器もよごれるし、回収してからの作業にも手間がかかるからです。
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