第84回県美術展覧会(県展)は20日、高松市玉藻町の県立ミュージアムで始まった。30日までの第1期は、彫刻(立体表現)、工芸、書の3部門から296作品を展示。創意に富んだ力作が共演し、豊かな感性から生み出された美の数々が来場者の関心を引いている。
県展は同ミュージアムなどが主催する県内最大の美術公募展。今回は全6部門に1139点の応募があり、展覧会では入賞、入選作に招待作家や審査員らの作品を加えた619点を2期に分けて紹介する。
彫刻部門では、さまざまな素材を駆使した力作が集まり、電気で動く立体造形や発光ダイオード(LED)を使用しているものも見られた。工芸部門では、漆芸の技術を用いた平面作品など独自の表現に挑戦した意欲作が会場を彩っている。
会場には初日から多くの美術ファンらが訪れ、一点ずつじっくり鑑賞。書部門で入選した大木静香さん(71)=坂出市=は「墨の流れが美しい作品が多く、勉強になる」と話し、宮岡千代さん(63)=綾川町=は「毎年楽しみにしている。陶器のグラデーションが印象的」と見入っていた。
第1期展では、いずれも元県展審査員で書家の丸尾玉蘭さん=琴平町=と冨村華峰さん=高松市=の遺作も公開している。7月5~15日の第2期は、絵画・日本画、絵画・洋画、写真を紹介する。
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