進級をひかえたこの時期に取り組みたいことがあります。一つは志望校選び。自身の将来をイメージすることから取りかかります。もう一つが4月からの勉強を充実したものにするための「準備」です。それぞれについて、ポイントをまとめました。
(編集委員・大島淳一)
高校選び
候補10校をピックアップ
まずは高校の選び方からみていきます。
新学期が始まると勉強の難易度が上がり、部活動や生徒会活動などでも下級生をリードする立場になります。
これまでよりも忙しくなるので比較的、落ち着いて過ごせる春休みを利用するのが効果的です。自分の将来と照らし合わせて「高校でこんな勉強に力を入れたい」と思い描いてみるのが「入り口」になります。
「医師をめざしたい」というなら、理系の勉強に力を入れる高校が候補になりそうです。「日本だけでなく、世界を舞台にして働きたい」というなら、語学やコミュニケーションの授業などを展開する高校といった具合です。
そのうえで、インターネット上で高校を紹介しているサイトや『高校案内』などのガイドブックを参照。「概要」や「カリキュラム」「ここ○年の大学進学実績」をチェックし、それぞれの高校の特色をとらえます。公立だけでなく、私立や国立もふくめ、自分の進路に適していそうな高校を10校程度、ピックアップするのが目安。候補に挙げた各校のウェブサイトをみると、より具体的な情報を入手できます。
将来の希望がかなうかどうかを知る手がかりになるのが、それぞれの高校を卒業した先輩たちの進路です。ここ数年分をさかのぼってみると、大まかな傾向をとらえることができます。また、この時期からは今春に実施された大学入試の結果も明らかになってくるので参考にします。
大学選び
学びたいことを具体的に
大学(学部)を選ぶ場合、高校の選び方にくらべて、いろいろな選択の機会がはやい時期にやってきます。
「国公立に進むか、私立に進むか」はもちろんですが、「文系・理系」のコース分けが典型的な例。高校によって異なるものの、高校1年のときにある程度、考えをかため、高校2年になるときに分かれるという学校が多いようです。
文系に進むか、理系に進むかを考えるとき、まずは高校選びと同じように将来や進路をイメージします。ただし、より具体的に思い描くことがポイント。高校に入学してからの成績の伸び具合や自分自身の適性、希望なども頭に入れて文系・理系を選択します。
文系・理系を考える一方、学部(学科)選びにも取り組みます。選択肢が全国に広がるので、やみくもに取り組んでも効率がよいとはいえません。自分の将来を実現するためにどのようなことを学ぶべきか、その勉強ができるのはどの学部か、その学部が設置されているのはどの大学か――。こうした流れで考えるのが一般的です。
毎日勉強する下地作りを
新学期からの勉強は、たとえ短時間であっても毎日、取り組むことをめざします。ペースを身につけるために、この時期に「下地」をつくります。3日間の勉強をワンセットにするのが一つの方法。短期的な計画のほうが目標をよりイメージしやすく、リズムに乗りやすいという利点があります。
計画に盛り込むのは達成できる内容に。「明日もがんばろう」と前向きになり、毎日取り組むことで勉強する習慣が身につきます。
この時期の勉強では、復習に重きを置きます。これまでに習った内容をふり返り、理解の程度に応じて、それぞれの科目(教科)にあてる時間を長くしたり短くしたりします。「すきま」の時間を意識することも大事。たとえば学校から帰宅後、塾などに出かけるまでの時間を活用してみます。
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