口臭を気にしてケアしている人、あまり気にしていないけど周囲から指摘された人、様々いらっしゃると思いますが、残念ながら歯磨きをすればすぐ治まるという方ばかりではありません。
口の“におい”を詳しくみると・・
口のにおいは、食べ物のにおいや肺からあがってくる息のにおい、唾液など口の中のにおいなどが混じって発生します。女性はホルモンの関係で生理前や生理中にも臭いやすく、これらは生理的口臭と言われることもあります。口臭ケアを念入りにしている人は、意外とこの生理的口臭を気にしているのかもしれません。
一方、気を付けたいのは病気由来の口臭です。これは病気を治すのが口臭改善の早道となる可能性が高くなります。
このように口臭は様々な要因が考えられるため、普段から悩んでいる人は一時的なマウスウォッシュやサプリメント等では改善しない場合があります。
“におい”はなぜでるの?
口の中は何百億という細菌がいて、人が食事した後の食べかすを栄養源にしています。また、新陳代謝で細胞がはがれおちたりするなど、口の中はいろいろなものが混在した環境と言えます。
このような環境で細菌が繁殖したときに強い口臭につながる硫黄成分が発生して、においを放つ原因となっています。つまり口の中の歯垢や舌苔、それらをエサにした細菌が起こす歯周病など、口の中のトラブルが口臭につながる可能性があるのです。40代以降は歯周病にかかる人が多い傾向にあるので、ケアを念入りにしましょう。
このほか、胃腸などの消化器や呼吸器、耳鼻咽喉の病気でも強いにおいが出ることもあります。さらに、唾液の量が減ることも原因の一つに挙げられます。
唾液は口の中のお掃除をしてくれて硫黄成分が発生しにくい状態に保ちますが、唾液が減って乾いてくると強い口臭になってしまいます。寝ている時や空腹時、緊張やストレスを感じた時などは唾液の分泌量が少なくなります。また、高齢になると唾液の分泌量が減るため、強い口臭となることもあります。
口臭ケアは原因を断つところから
このように、口臭の原因は様々なものがあるため、思い当たる場合は原因に応じた病院へ行ったり、日ごろから対策をとる必要があります。
口の中のトラブルは、“食べかす”が口の中に残らないよう小まめに丁寧な歯磨きをすることから始めましょう。歯と歯肉の間の歯周ポケットに歯垢がたまり、歯肉が赤く腫れたり、出血しやすい状態になり、放っておくと歯周病につながってしまいます。
歯周病の初期の段階では自覚症状がほとんどないと言われているので、早めに歯科医に診てもらうことも対策のひとつと言えます。
さらに、唾液を出すことも重要です。食事をゆっくり嚙むと唾液が十分に出ますし、体が水分不足にならないよう水を飲むことも大切です。
耳のまわりやあごの裏側のマッサージを積極的に行うのもよいでしょう。あまり気にしすぎてストレスにならない程度に、毎日のケアを丁寧にしていきましょう。
Text by ゆず/食育インストラクター
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