オンラインゲームなどのやり過ぎで生活に支障が出る「ゲーム依存症」が関心を集める中、県内の小中学校などに配布した予防啓発用DVDを使った授業が5日、大阪府泉南郡の田尻町立中学校であった。同校に勤める香川出身の教諭が企画。1年生約100人が、脳にギャンブル依存などに似た影響が生じたり、急激な成績低下につながったりすることを学んだ。
啓発DVD「ゲーム依存から子どもを守る!」は、四国新聞社が今春制作し、県、県教委が推薦。県教委などを通じて、県内すべての保育所や幼稚園、小中学校、高校などに配布、各校で利用が進んでいる。
田尻町立中での授業は、香川出身の横井武志教諭(42)が提案。「スマートフォンやゲームの過剰利用が睡眠不足などにつながっている」と感じていたところ、6月に帰省した際、啓発DVDについて報じた四国新聞の紙面を読み、自校での活用を企画した。
この日は、1年生全員で、国内初のネット依存外来を設けた久里浜医療センターの樋口進院長や教育評論家の尾木直樹さんが出演しているDVDを鑑賞。「依存の中でゲーム依存の治療が一番大変」「成績がストンと落ちるし、現実と空想の区別がつかなくなる」などといった説明に、真剣に見入っていた。
6月末に発行した四国新聞のゲーム依存対策特集も活用。1日14時間のゲーム漬けだった元患者の記事を教諭が紹介した後、スマホやゲーム機利用の約束事を一人一人が記入し、グループで熱心に話し合った。
横井教諭は「便利で楽しい道具には良い面、悪い面の両方がある。ゲームにも落とし穴があることを知り、規則正しい生活につなげてほしい」と話している。同校では今後、DVDなどを2、3年生計約180人が活用し、保護者向けの注意喚起にも使う予定。泉南郡内の公立4中学校などにも活用を呼び掛ける。
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