多くの地域で梅雨が明けて暑さ本番、熱中症が特に気になる時期です。最近は人間だけでなく、犬を中心にペットの熱中症にも注意が必要になっています。どのようにすれば防げるのか、もしなったらどうしたらいいのか、動物病院で聞きました。専用の対策グッズもあります。(中田美和子)
犬 あせ少なく、熱をにがしにくい
淀川中央動物病院(大阪市)は毎年夏の初めに、ウェブサイトで熱中症への注意をのせています。「猫も注意は必要ですが、やはり犬のほうが暑さには弱い」と看護師の山那奈美さん。去年は命を落としたケースもあったそうです。
全身であせをかける人間とちがって、犬や猫は足の裏にある肉球でしかあせをかけません。主に息をハアハアすることで、口から体内の熱をにがします。しかし、あまりにハアハアすると体温がますます上がってしまうのです。
犬の中でも、フレンチブルドッグやパグ、シーズーなど「鼻ペチャ」の種は特に注意が必要です。「鼻が短く、鼻の穴が小さい。口の中がせまく、口から肺までの空気の通り道が短い。こうした理由から熱をにがすのが苦手なのです」と獣医師の高野千秋さんは説明します。また、お年寄りの犬は体温調節がうまく働かないので気をつけてあげましょう。
室温は26~28度/水飲み場を増やす
冷房の設定は26~28度にし、留守番のときはつけたままにします。「床にベッタリおなかをつけていたら暑がっているサイン。冷房の温度を確認してあげて」と山さん。車の中は短い時間でも暑くなります。水を置く場所を増やして水分を十分とれるようにします。
散歩は朝早くか日が落ちてからに。食品に使う保冷剤をバンダナで首に巻きつけるのも有効です。走ったりして運動量が多くならないようにしましょう。
熱中症になると、まず呼吸が激しくなり、舌が紫色になる場合もあります。ぐったりして、ひどくなると、けいれんを起こして意識がなくなります。応急処置は、首や脚の付け根を保冷剤で冷やします。全身に水をかけて冷やすのもいいですが、冷たすぎる水はいけません。病院に行く場合は体を冷やしながら連れていきます。
冷感グッズで対策
保冷剤を入れるポケットのあるバンダナ、冷たい素材のマットなど、熱中症対策グッズもいろいろ出ています。ペットパラダイスDX(大阪市)店長の湊谷文さんは「4、5年前からあって定番という感じです。種類が増えただけでなく冷たさもアップして『進化』しています」。
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