本屋さんにはたくさんの本があふれ、お子さんに手渡す1冊に迷ってしまうことがありますよね。子どもの本を専門とする東京子ども図書館(中野区)の司書・床井文子さんが、最近出た本の中から、おすすめの3冊を紹介します。今日は、低学年からの1冊です。
『うまれたよ!ナナフシ』
写真・文 安田守、岩崎書店、2376円
木の枝にそっとひそんで…
ナナフシをしっていますか? まるで木の枝のような、細長い体をした虫です。たくさんふし(節)があるという意味から、七つのふし、ナナフシとよばれるそうです。この本は、その写真絵本です。
春の野山で、体もあしも細長いふしぎな虫を見つけました。ナナフシの幼虫です。幼虫は毎日若葉を食べ、うんちをします。
ある日、葉にぶらさがり、皮をぬぐと、体がひとまわり大きくなりました。こうして脱皮を5、6回くり返し、夏のはじめに成虫になります。手のひらよりも大きな成虫ですが、じっとしていると、木の枝にとけこんで、なかなか見つかりません。
成虫はおしりをはげしくふり、遠くに投げ飛ばすようにして、小さなたまごをいくつもうみます。そして、夏の終わりに一生を終えます。
また春がきて、たまごから細長い幼虫が生まれました。その瞬間をページいっぱいの拡大写真で見ることができます。
この本に出てくるのは、ナナフシモドキという種で、日本には約30種類のナナフシがいるそうです。
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次回配信では、中学年からの1冊を紹介します。
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