家族に話すのおすすめだよ
もうすぐ夏休み。「読書感想文」が宿題に出る学校もあるでしょう。小学校の元先生で、読書活動の研究をしている藤田利江さん(全国SLA学校図書館スーパーバイザー)に、読書感想文を書くためのポイントを聞きました。好きな本を選び、楽しみながら文章をまとめることが大事、途中で家族に話すのもおすすめだといいます。(構成・前田奈津子)
興味ある分野から
本は、できるだけ自分で選びます。感想文のためにと意識しないで、「好きな本を読む」という気持ちで、本選びから楽しんでください。
小説、科学読み物、スポーツ選手の伝記など、興味のある分野から探すと決めやすいかもしれません。
今までに読んで「おもしろかった」「こわかった」など印象に残っている本から、もう一度読んでみたい作品を選ぶのもいいでしょう。
自分で決めるのが難しい人は、書店や図書館のおすすめの本を参考にしたり、図書館の司書に相談してみたりするのもいいと思います。
2回読んでメモを
選んだ本は、できれば2回は目を通してほしいです。1回目を読むとき、「この場面いいな」など、心を引きつけられたページにしおりをはさみます。自分の本なら付せんをはってもいいですね。
その後、家族などに、「どんな内容の本か」「作品について感じたこと」を伝えます。人に話すことで、自分の考えも整理できるからです。
もう1回読んでから、メモを作ります。登場人物の行動で印象に残ったところなどを書き出します。「〇〇の場面で、△△は××に会えてうれしかったと思う」など、短い文でかまいません。カードに書くと、文章の順番を考えるときに、並べかえができて便利です。
次に、下書きです。物語のあらすじにそいながら、自分の意見を書く、物語を自分の体験と比較して書く、などいくつかの方法があります。
下書きができたら、読み上げて家族などに聞いてもらいます。声に出すことで、誤字、脱字などに気づきやすくなります。
文末の表現も、同じ表現がくり返されていたら、変化をつけるように工夫してみましょう。例えば、うれしい気持ちの表現には「楽しかった」「うきうきした」「心がはずんだ」などがあります。
その後、清書をします。ゆっくりていねいに書きましょう。
読書感想文は、感想を書く文章です。日ごろから、「感想をもつ」ことを意識してみましょう。
本を読んだ後は、日付、題名、作者名と感想などを記録します。短い文でも、書きとめる習慣を身につけてください。
生活の中の体験からも、いろいろなことを考えることができます。例えば野菜ジュースを飲んだら、「どんな味?」「何の野菜?」「その野菜は好き?」などと考えて、感じたことを言葉にする意識をもちましょう。
ふじた・としえ
現在は、広く学校図書館などを支援。主な著書に『調べる力がぐんぐん身につく 藤田式「調べる学習」指導法 小学校編』『親子の対話ですいすい書ける! はじめての読書感想文』(どちらも子どもの未来社)。
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