壁を感じても、挑戦したい
アニメ映画「HELLO WORLD」の主人公は、内気な男子高校生・堅書直実。ある日、10年後の自分を名乗るナオミが現れ、3カ月後に恋人ができるが、その恋人が事故で死んでしまうと告げられる。彼女を救うため、ナオミに協力する直実。しかし、ナオミには大きな秘密があり――。
主人公の恋人となる一行瑠璃の声を演じる。一見クールだが、不器用で感情表現が苦手な女の子だ。長編でメインキャラクターの声優を務めるのは初めて。役が決まった時には、うれしい半面、不安だった。声だけで喜怒哀楽を表現することに苦労したと話す。「一番難しかったのは気絶するシーンです。『はぁーん』としか台本に書かれていなくて。『はぁーん』って何だろうって悩みました(笑)」
瑠璃の不器用さは、高校生の時の自身を思い出させるという。仕事で学校を休みがちになり、クラスメートとの距離感に悩んだ。「仲良くなりたいのに、話しかけられても恥ずかしくて、壁を作ってしまうことが多かったんです。でも、いっしょに勉強会をしたり、工作をしたりして、少しずつ打ち解けることができました」
瑠璃と直実は図書委員になって知り合う。自身は中学生の時、保健委員を選んだ。保健室の先生や和気あいあいとした雰囲気が好きで、何度も立候補したという。
吹奏楽部にも所属し、フルートを担当した。仕事をしつつ練習に打ち込み、大会にも出た。「当時の友達とは今も連絡を取り合っていて仲良しです。この間も遊園地にいっしょに行きました」
今後の目標は「できることや好きなことを増やす」こと。「初めてのことは不安でやめたくなったり、迷ったりするんです。でも、やれば必ず楽しい瞬間がある。壁を感じても、負けずに挑戦する心を持ちたいですね」
アドバイス
たくさん運動してください。楽しみながら体を動かして。私はあまり運動していなかったので、やっておけばよかったなあって思うんです。体力がつくし、スポーツを見るのも、するのも、楽しめるようになると思います。
2000年8月29日生まれ、石川県出身。主演映画に「君の膵臓をたべたい」「センセイ君主」などがある。特技はフルート。映画「HELLO WORLD」は公開中。
(文・小勝千尋、写真・品田裕美)
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