あなたの丸亀城への思いをつづって―。独自の文学賞を開催している高松市瓦町のブックカフェ「半空(なかぞら)」は、第5回文学賞のテーマを「丸亀城」に決めた。石垣が昨年崩落した丸亀城にまつわる思い出やエピソードなどを市民や市出身者、観光で訪れた人らに作品にして寄せてもらう。大勢の人に読んでもらえるよう、入賞作品を掲載した冊子を配布。冊子には寄付の振込用紙も付け、文学を通して石垣復旧を支援する。
8月1日から作品を募集する。半空店主の岡田陽介さん(37)は「作品を通してさまざまな人の思いを知ることで、丸亀城とはどんな存在なのかがよく分かるのではと期待している」と応募を呼び掛けている。
岡田さんは文学の裾野を広げようと2015年度に「半空文学賞」を創設し、毎年テーマを変えて開催。17年度は高松琴平電気鉄道(高松市)と共同で「ことでん」をテーマに実施し、入賞作品の冊子を主要駅で配布して評判を呼んだ。
本年度の半空文学賞は丸亀城の石垣修復や情報発信の一助になるよう、丸亀市と共同で丸亀城が登場する作品を募集し、「丸亀城ストーリープロジェクト」を合わせて実施する。
プロジェクトでは、入賞作品を集めた冊子を1万部ほど作成し、丸亀市内の観光案内所や公共施設などに置くほか、半空とつながりがある各地の書店や雑貨店などに配布する。石垣の1回目の崩落から2年となる来年7月7日に入賞作品を発表する。
岡田さんは「丸亀の重要なシンボルである丸亀城の石垣復旧に役立てれば」と語り、梶市長は「ぜひ多くの人に作品を投稿していただき、丸亀城に寄せる思いをみんなで共有したい」と期待を寄せている。
作品は随筆や小説、詩、短歌、俳句など全ての表現方法が対象で、小説もジャンルを問わない。A4用紙1枚に収まれば何文字でも構わない。データによる投稿は受け付けない。タイトルと氏名(筆名)を明記し、半空または市広聴広報課へ郵送、持参する。締め切りは来年1月31日。問い合わせは半空〈087(861)3070〉。