高校や大学への進学、新しい学年への進級。4月からこれまでとはちがう1年が始まります。スタートまでの時期をどのように過ごすといいのでしょうか。朝中高特派員や、特派員をつとめた大学生に聞きました。(山田泉)
環境も気持ちも整える
Oさん(高1)
Oさんが高校受験を意識し始めたのは中2の冬休みのころ。受験に向けた気持ちがより具体的な形になったのが、中2から中3になる前の春休みでした。取りかかったのが、部屋の模様替え。勉強に集中できるよう、本棚は参考書など勉強に関係があるものだけに。漫画などは段ボール箱に入れ、受験が終わるまで開かないと決めたそうです。
「志望校は、はやめに決めるのがいいのでは」。Oさんはこう考えます。勉強に対するモチベーション(やる気)が高まり、具体的な目標も立てやすくなるからです。志望校選びのポイントとして挙げるのが、大学への進学実績や大学受験に対するサポート体制など。Oさんは「気になる高校があれば、中2や中1であっても文化祭に出かけたり、見学に行ったりすることをおすすめします」。
高校受験を終え、進学をひかえた時期、Oさんが心がけたことの一つが気持ちのリフレッシュでした。高校ではいそがしくなり、なかなか休めないと考え、友達と遊びに行くなど、その時期にしかできない時間を大切にしました。
いいスタートが切れるよう、宿題考査(高校から出された課題をきちんとこなしたかどうかをみる試験)に向けた勉強にも取り組みました。「受験勉強から解放されると、それまで覚えてきたものなどを急に忘れてしまいがち。国語や数学、英語は中学の内容もおさらいするのがいい」とOさん。高校に入学する3日ほど前からは規則正しい生活を送るようにしたといいます。
大学受験についてもはやめに意識しておくのがよさそうです。たとえば、部活動やボランティア活動、取得した資格などの記録「ポートフォリオ」。そのデータは、大学受験に活用されることもあります。Oさんは「書けるような取り組みをしておくと、高3のときに余裕がもてるのでは」とアドバイスします。
進学に生かせる諸活動
Kさん(大学1年)
高3になる前の春休み、Kさんがおもに力を入れていたのは生徒会活動や部活動でした。生徒会では4月の新入生歓迎会をひかえ、準備などにかけ回り、部活動ではバスケットボール部のマネジャーをつとめていました。
こうした活動がいそがしく、勉強の時間はあまり確保できませんでした。高3になると受験勉強が本格的に始まり、それまでに学習した内容を見直す時間をとるのも難しくなったといいます。「春休みのうちにもう少し、復習をしておきたかった」とKさん。それでも「部活動や生徒会といった経験は、ないよりもあったほうがよい。推薦をめざすことになった場合、面接などでアピールできるポイントにもなる」と考えます。
進学先の大学は指定校推薦で決定。入学前の春休みは大学に提出する課題に取り組んでいました。指定された本を読み、要約して感想を書く、新聞のスクラップをしてコメントをまとめる。毎日少しずつこなすうちに「これから大学生になるという実感がわいてきた」。
課題をこなす合間に高校の部活動に顔を出し、マネジャーの仕事をサポート。いい息ぬきにもなったそうです。
1年ほど前をふり返り、取り組んでおけばよかったと感じるのが英語の勉強です。大学では英語の力が問われる機会が多く、試験もたびたび。Kさんは「高校までの英語を総復習し、大学での学びに向けて『土台』をつくっておくと、よりスムーズに入学後の勉強に取り組める」といいます。
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