Q.うちの子は成績が良くないので、早めに塾に入れようかと思っています。小3のはじめから塾に行くことには、どうお考えですか?
A.塾に行きさえすれば成績が上がるというのは幻想です。一般的な集団授業では、わからない授業をお経のように聞いているだけになります。また、興味のない学習内容はその場で解けたとしても、すぐに忘れます。
低学年のうちから進学塾に入れ、親が熱心に勉強を教えて成績上位をキープしていても、勉強をやらされている状態では、5年生から入塾して主体的に勉強をする子たちにあっさり抜かれていきます。4年生までの成績が、高学年になってもキープされる保証はどこにもありません。
小学校の内容についていけていないならば、まずは塾を検討する前に、ご家庭でできる限りフォローしてあげてください。くりあがりの足し算でつまずいている、文章題が理解できないなど、子どものつまずきポイントが見えてくるはずです。
もし基本的な計算で足踏みしているならば、公文やそろばんという選択になります。問題文が理解できないならば、家庭での会話に力を入れ、語彙や文脈理解を強化することになります。
どう教えて良いかわからない、親子バトルになってしまう、とにかく勉強が嫌い…という場合は、子どもを惹きつける力のある先生を全力で探しましょう。
勉強そのもの、あるいは特定の科目を好きになるか否かは、先生次第といっても過言ではありません。評判の良い先生が直接指導してくれるという確約があり、目の行き届く小さな塾を探し、遠方でも通わせましょう。
勉強への意欲を引き出し、伸ばしてくれさえすれば、あとは何とかなります。大量に講師を採用して授業をローテーションさせている大手塾では、子どもは伸びず、むしろ勉強嫌いになります。
安浪京子(やすなみ・きょうこ)中学受験算数専門プロ家庭教師「(株)アートオブエデュケーション」代表として、受験算数の指導および中学受験メンタルサポートに力を入れ、毎年多数の合格者を出している。中学受験に関する講演やセミナーを多数開催。毎月第2,4木曜10~12時に、中学受験の悩みをざっくばらんに話し合う「中受カフェ」を開催中。 著書に『きょうこ先生のはじめまして受験算数』シリーズ、『中学受験 6年生の親がすべきこと』(いずれも朝日学生新聞社)など。
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