読書の秋――。中学生や高校生のなかには、読書を勉強に役立てているというみなさんもいるのではないでしょうか。読書との向き合い方や具体的な活用法について、朝中高特派員に聞きました。(重政美穂)
数学を楽しみながら理解
Aさん(東京・中3)
ぼくが愛読しているのは『数学ガールの秘密ノート/整数で遊ぼう』『数学ガール/フェルマーの最終定理』といった『数学ガール』シリーズ(結城浩/著、SBクリエイティブ)です。
中学受験を終え、時間がとれるようになったころから読み始めました。姉の本棚にあるのを見つけ、興味をもつようになりました。
数学の参考書とは異なり、物語(ストーリー)が会話形式で進んでいくので飽きることなく読めました。主人公が数学を教わる立場であったり、逆にだれかに教える立場になったりするので、数学に対する理解を深めやすかったのも愛読するようになった理由の一つでした。この本を読むことで、勉強に対する向き合い方にも変化がありました。
本のなかの登場人物は、わからないことや少しでも疑問に思うことがあれば、どんなに初歩的なことでもためらうことなく質問します。「わからないことを放置しない=苦手をつくらない」ことで「勉強がわかる→勉強が楽しくなる」と考えられるようになりました。また、学校で習っていない内容も理解でき、数学への興味がさらにわきました。
読書は場所や時間にかかわらず、手軽にできます。楽しみながら自然と知識を身につけることもできるので、これからも勉強に役立てたいと思います。
洋書で単語の意味を推測
Bさん(東京・高1)
私は洋書を英語の勉強に活用しています。これまでに読んだ本は『ハリー・ポッター』シリーズ(J.K.Rowling/著、Bloomsbury)や『マジック・ツリーハウス』シリーズ(Mary Pope Osborne/著、Random House Books for Young Readers)の英語版、『Frozen』(RH Disney)などです。
日本語で書かれた本とくらべると、洋書は読むのに時間がかかるので、英語以外の教科(科目)の勉強に影響が出ないよう、1カ月に1冊のペースで読んでいます。わからない単語があれば線を引いておき、文脈から意味を推測しながら読み進めます。一つの章を読み終えるごとに、線を引いておいた単語をまとめて調べています。
こうした取り組みの成果として、たとえば英検の長文読解でわからない単語が出てきてもつまずくことなく読めるようになり、英文を読むスピードもはやくなりました。英検は準1級を取得し、TOEICでも800点をこえることができました。
洋書を読んだことがない人は、内容を知っている本から挑戦してみてください。書店で入手しにくい書籍はインターネットで電子書籍を購入するのも一つの方法。辞書の機能がついているものを利用すると、わからない単語を調べながら読めるのでおすすめです。
漫画の英語版など日常に
Cさん(神奈川・中1)
夜、眠る前にドラえもんの英語版『DORAEMON』(藤子・F・不二雄/著、小学館)を読んでいます。英語と日本語のせりふがありますが、英語のせりふだけを読むようにしており、意味がわからないときだけ日本語を確認しています。
英語に慣れるには日常生活に取り入れて毎日触れることが大事だと考え、英語版の漫画を読むようにしました。テレビの英語チャンネルを見たり、洋楽を聞いたり、携帯の言語も英語に設定したりしています。
ラグビーの選手になるのが将来の夢。英語の力を磨き、もし海外の記者からインタビューを受けることになったら、通訳を介さずに自分が言いたいことを伝えられるようになりたいです。
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