【Q】次のフルマラソンで4時間30分を切りたいが、今のままのトレーニングでいいのか?
2年前に走り始めました。ふくらはぎの肉離れ、足底筋膜炎など故障しましたが、昨年初フルマラソンで4時間45分で完走。次は4時間30分を切りたいのですが、今の練習内容で達成できそうでしょうか。
現在の月間走行距離は150~170km程度。練習メニューは①12kmジョギング(心拍数130以内、キロ6分40秒~7分30秒で)②12kmランニング(キロ6分10秒~6分30秒、最後の1kmは5分30秒で)③3kmジョギング+「200m坂ダッシュ×6」+3kmジョギング ④20km走(キロ7分前後。最後の2kmは5分30秒~40秒)の①②③を一日おきに、④を月に2回実施しています。②がキツく、このペースでレースを走りきることは今のところ想像できません。(hanaさん・58歳男性)
【A】30km走やスピード練習を加え、フォームの見直しも
2度目のフルマラソンで4時間30分切りを目指す質問者さん。練習メニューの改善案に加え、故障の多さやペースアップへの不安から、フォームの見直しを勧めるアドバイスも寄せられました。
●インターバル練習を取り入れて
ゆっくり長く走る練習だけでなく、速く走る練習も組み込んでみてはいかがでしょう。たとえば、インターバル走。1~2kmをキロ5分前後で走り、いったん休憩(もしくは、流し)を繰り返します。決して力んで走るのではなく、歩幅や腕振りを大きくして、ピッチ走にはならないようにゆったりと走るのが、長距離でも負担の少ない走りになると思います。最初の100mだけダッシュで入り、その後はすーっと全力の80%くらいに落としていって走る方法もおすすめです。
●疲れにくいフォーム獲得でペースアップ
目標設定から考えると、キロあたり6分20秒のペースで走れれば4時間30分を切れる計算になります。それをふまえ、ロング走のペースは「20~30秒速いペース」で「20kmではなく30km走」ができるところまでもっていきたいところ。
そのためには疲れにくいフォームの獲得が重要。かかとから着地するのではなくつま先、または足全体から着地。飛び跳ねるのではなく前にヒザを出すイメージで、スピードを殺さない走り方(坂道を転ばない程度に前傾姿勢気味で)など、疲れにくいフォームをいろいろ研究してみましょう。
●坂道練習は下り坂も大切
坂道練習では、ぜひ下り坂も取り入れてください。ラクなように感じますが、フォームが乱れたり、速く走りすぎないように重力に逆らって意外な筋肉を使っていたりするので、本番で疲れやすく、要注意です。
●10km、ハーフに立ち返る
フルマラソン4時間30分への挑戦の前に、10kmやハーフのレースで目標達成すべく取り組んでみてはどうでしょう? すべての基本となる距離は10kmだと思います。まずは日頃の練習で60分以内を目標に。達成した後は、それをどれだけ更新できるか。50分をベストタイムの目標とするとよいと思います。またハーフでは2時間を切ることを目標に。さらに30km走を体験していれば、フルマラソンで4時間30分は切れると思います。
●効率的に走るフォームを心がける
ふくらはぎの肉離れ、足底筋を痛めたなどの質問者さんの情報から、筋肉に負担がかかる「走る=筋トレ」的なフォームになっていると思います。私は55歳過ぎてから、腰が落ちていないか、体幹はしっかりしているかなど注意しながら、骨格的に効率的な走り方「エコなフォーム」を考えてジョグしています。
●LSDを増やして長く走れる身体をつくる
LSDを増やすことを私はお勧めします。長く走り続けられる、距離を踏む練習です。レース前月に1回、2時間でも良いです。6時間までは必要ありません。また、6分半より少し早めのペース(4時間30分でゴールするためのイーブンペースである6分20秒に近いペース)で30km走ることもおすすめします。
●日常生活での練習もレース対策に
限られた練習時間での強化策として、日常生活にもトレーニングを取り入れることをおすすめします。歯磨きしながらスクワット30回。テレビを見ていて、最初のCMがきたら体幹を鍛える「フロントブリッジ(プランク)」を。電車やバスは座らない、エスカレーターは使わない、などなど。