A.過去問題は、様々な形態で出回っていますが、使用用途によって使い分ける必要があります。
① 特定の学校の数年分をまとめたもの
② 抜粋した学校の全科目を1年分まとめたもの
③ 抜粋した学校の特定科目を1年分まとめたもの
①は表紙が赤色のため、通称「赤本」と呼ばれるものです。声の教育社、東京学参、英俊社などの出版社から出ています。全科目が掲載されていますが、年数は学校によって異なり、3~10年と幅が広くなります。
第一志望はもちろん、第三、第四志望まで必要です。問題、解答用紙、解説がついていますが、1冊にギュッとまとめているため、問題と解答用紙のレイアウトは本物の入試問題とは異なります。
②はまるで電話帳のように分厚く、『有名中学問題集』(声の教育社)が有名です。最難関校、難関校などいわゆる「有名校」のみの掲載で、塾で買わされ、ここから過去問を宿題として指示される事があります。逆に、最難関校、難関校を受験しないご家庭には不要となります。
③は表紙が銀色のため、通称「銀本」と呼ばれるものです。『中学入試試験問題集』(みくに出版)しかなく、関東の学校が主体となっています(灘やラ・サールも含まれています)。科目別なので、色々な学校の特定科目の入試問題を見たい時に便利です。似た難易度・出題傾向の問題を練習したい時にお勧めです。ただし、問題と解答のみで、解説はついていません。
どのご家庭にとっても絶対に必要なのが①となります。学校によってはすぐに売り切れてしまうため(売り切れても増刷はありません)、志望校が固まっていたらすぐに購入しておきましょう。
安浪京子(やすなみ・きょうこ)中学受験算数専門プロ家庭教師「(株)アートオブエデュケーション」代表として、受験算数の指導および中学受験メンタルサポートに力を入れ、毎年多数の合格者を出している。中学受験に関する講演やセミナーを多数開催。毎月第2,4木曜10~12時に、中学受験の悩みをざっくばらんに話し合う「中受カフェ」を開催中。 著書に『きょうこ先生のはじめまして受験算数』シリーズ、『中学受験 6年生の親がすべきこと』(いずれも朝日学生新聞社)など。
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