Q.丁寧なノート・式・計算を注意するとできるのですが、親が見ないとやらなくなり、継続しません。どうすれば定着するでしょうか?
A.注意すれば丁寧に書けるならば、素晴らしい事です。まずは、丁寧に書いている時はおおいにほめ、雑な時に叱るのをやめましょう。
子どもは、自分の大切なコレクション一覧、交換日記などといったものは親が見ていなくても丁寧に書きますが、勉強となると話は別です。理由は簡単、「したくない」あるいは「面倒だから」です。テストの度に「丁寧に書きさえすれば点数が上がる」「ミスが減る」と口酸っぱく言われていても、です。
「絶対にクラスを上がりたい!」などの強い気持ちがある時は、一時的に模試の筆跡が綺麗になることもありますが、これも長くは続きません(逆に気負って焦り、かえって筆跡が乱れる事もあります)。
中学生になると、あれほど雑な字に泣かされた子どもたちも自発的に丁寧に書くようになります。成熟度が上がってくるためです。
中学入試期間中、自発的に丁寧に書くようになるのは、入試直前期になって入試が「我が事」になった時。この時ばかりは「その字では、採点官に読めないよ」という言葉が響きます。
大切なのは「いざという時に丁寧に書くことができるか否か」。丁寧に書けているのであればおおいにほめ、書き方がわからない場合は教えてあげましょう。今から入試までのあらゆるノート、テストを全て丁寧に書き続けるのは小学生にとって高すぎるハードルです。
安浪京子(やすなみ・きょうこ)中学受験算数専門プロ家庭教師「(株)アートオブエデュケーション」代表として、受験算数の指導および中学受験メンタルサポートに力を入れ、毎年多数の合格者を出している。中学受験に関する講演やセミナーを多数開催。毎月第2,4木曜10~12時に、中学受験の悩みをざっくばらんに話し合う「中受カフェ」を開催中。 著書に『きょうこ先生のはじめまして受験算数』シリーズ、『中学受験 6年生の親がすべきこと』(いずれも朝日学生新聞社)など。
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