本屋さんにはたくさんの本があふれ、お子さんに手渡す1冊に迷ってしまうことがありますよね。子どもの本の専門店・ちいさいおうち書店(長野県松本市)の店長・越高一夫さんが、最近出た本の中から、おすすめの3冊を紹介します。今日は、低学年からの1冊です。
『ドーナツのあなのはなし』
文 パット・ミラー、絵 ヴィンセント・X・キルシュ、訳 金原瑞人、廣済堂あかつき、1728円
みんなを幸せにする「あな」
あなのあいたドーナツがどうやってできたのか。私は今まで考えてみたこともありませんでした。この絵本を読むと、あなのひみつを知ることができて、今まで食べていたドーナツが、さらにおいしく感じますよ!
この本の主人公のグレゴリーが16歳のとき、船でコックの助手をしていて考えついた「あなあきケーキ」。それが世界中に広まったのが、あなのあいたドーナツだそうです。
それまで、船乗りたちは、パン生地を丸めてラードであげたものを毎朝食べていました。それは、外がわはカリカリしていましたが、中まで火がとおっておらず、ベトベトしていて胃にもたれ、みんなから「おもり」とよばれていました。そこで、なんとかしたいとあなをあけることを思いついたのが、グレゴリーだったというわけです。
こんがりあがって、あまくておいしいケーキのおかげで、船乗りたちはしあわせな気分になったとか。
表紙のうらがわには、カラフルなドーナツの絵が並んでいて、見ているだけでもワクワクしてきますよ!
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次回配信では、中学年からの1冊を紹介します。
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