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非英語圏への挑戦
日本からの留学といえば、真っ先にアメリカ(米国)を思い浮かべる方も多いでしょう。実際、高校生の3カ月以上の留学先として最も多いのは米国です。
その後は、ニュージーランド、カナダ、オーストラリアと続きます(文部科学省の「高校生の留学生交流・国際交流等に関する調査研究等」より)。
グローバル化が進む時代、留学の動機として、まず英語力を伸ばしたいと考えるのは自然なことだと思います。
一方で、2割程度がその他の国に留学しているという結果が出ており、その中には英語圏でない国も含まれています。AFSでも毎年約350~400人が長期留学していますが、このうち7割が非英語圏に飛び立っています。
この連載でもスウェーデン、チェコ、インドネシア、フランス……などさまざまな国が登場していますが、それぞれの国では独自の言語が話されています。
彼らのほとんどは、留学する国が決まった後、まったくゼロから新しい言語を学び始めます。
「英語もまだまだなのに、さらに他の言語を覚えるなんて無理!」という声が聞こえてきそうです。しかし先輩たちの多くは、朝から晩までその国の言葉にふれることで、日常生活に不自由ない語学力をつけて帰国します。
わかりやすくイメージするために、日本語で考えてみましょう。日本に留学している各国からの高校生は、日本に来たばかりのころは「日本語は全く理解できない、または少しの受け答えならできる」というレベルの生徒が約8割。簡単な自己紹介ができるレベルです。
しかし、10カ月後には「日常生活には不自由しない、授業もどうにか理解できる」というレベルにまで上達する生徒が約7割にのぼります(「AFSプログラム参加者の総合評価・留学生の日本語能力」より)。
会話だけではなく、四字熟語や漢字を交えた作文など、決して簡単ではない日本語を覚えて使いこなしていく姿を見ていると、10代はやはり吸収が速いと感じます。
この先、英語が話せる人が増えてくると、さらにもう一つの言語が話せることが大きな強みになります。ぜひ可能性を広げてみませんか?
(AFS日本協会広報・藤澤紀子)
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文部科学省の調査によると、2015年度の高校生の留学先(3カ月以上)で、英語圏以外の国は全体の16%程度。人数は年々増えています。
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