小学生にも使いやすい電子辞書が人気です。2020年度から本格的に実施される新学習指導要領で外国語(英語)が教科になることから、メーカーも英語学習の機能を充実させてきました。(編集委員・根本理香)
漢字にルビ、スピーチに役立つ機能
事務機器のメーカーなどでつくる「ビジネス機械・情報システム産業協会」のまとめでは、電子辞書の出荷台数はスマートフォンにおされ、2007年をピークに下がり続けていました。しかし、去年は11年ぶりに前の年を上回り、約110万台(8・5%増)でした。
メーカーなどによると、小学生も使えるモデルの売れ行きが好調だったといいます。その背景にあるのが、小学校高学年で英語を教科とする学習指導要領の改訂です。各社は数年前から小学生も対象とした商品開発に力を入れてきました。
先取りで買う親も
カシオ計算機は、12年から小学生モデルを売っています。英語の辞書機能では、説明に使われる漢字はすべてルビ付きです。英語のアニメや音とリズムで発音を学ぶ教材もあります。国語の辞書はもちろん、百科事典や人物事典、4教科の参考書なども入っています。
キーボードはローマ字入力の高学年向けと、50音入力の低学年向けの2タイプありますが、想定よりも年齢の低い子どもに先取りで買う保護者が多いそうです。「英語教科化に向けて、保護者の熱を感じます」とカシオの担当者は話します。
シャープでは、中学生モデルを小学校高学年も対象にして販売しています。自分で書いた英文を読み上げ、話す練習もできる機能は、1分間スピーチの準備などに役立つそうです。「小公女」や「ガリバー旅行記」など、英語の原書も収録されています。また、初心者向けにローマ字入力の練習ができる機能もあります。
シャープの担当者も「小学生の市場はこれからのびていきそう」と期待します。
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