高松商、攻守に躍動―。甲子園球場で第91回選抜高校野球大会が開幕した23日、県勢の高松商は春日部共栄(埼玉)に8―0で快勝し、2回戦進出を決めた。準優勝した第88回大会以来3年ぶりとなる聖地での勝利。選手たちに声援を送り続けたアルプススタンドは、歓喜一色に包まれた。
この日は香川から在校生や保護者ら約1500人がバス40台に乗り込んで集結。関西などからも大勢の卒業生らが駆けつけ、浜田知事も一塁側応援団に加わった。
応援団は試合の始まりとともに、おそろいのブルーのメガホンを打ち鳴らして大声援。第88回大会出場時に主将を務めた米麦圭造さん(20)は「昨春に甲子園出場を逃した悔しさを知るメンバー。先輩の分も頑張ってほしい」と期待を込めた。
思いが届いたのは三回裏。無死一、三塁から大塚慶汰選手が左前打を放ち、待望の先制点がスコアボードに表示されると、スタンドには笑顔が広がった。五回は2死二、三塁から香川卓摩選手の2点右前打でリードを広げ、六回には相手の守備のミスも絡んで一挙4得点。試合中盤ながら応援団の盛り上がりは最高潮に達した。
4打数4安打で3度ホームに帰ってきた新居龍聖選手の母・由香利さん(42)は「冷静で本番に強いタイプだと思ってはいたけど…本当にすごい」と感激の面持ち。投打に活躍したエース左腕の香川選手の父・竜志さん(40)は「甲子園を楽しみながらプレーした選手みんなを褒めたい」と話し、目にうっすらと涙を浮かべた。
1960年の第32回選抜大会優勝時の主将、山口冨士雄さん(76)は「シーソーゲームかと思ったら、まさかこんな点差になるなんて」と驚いた様子。攻守に存在感を示した大塚選手の父・庸一郎さん(52)は市和歌山とぶつかる2回戦に向け、「次もどんどん攻めて香川君を援護して」とエールを送っていた。
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