「令」「和」あったよ!―。新元号「令和」の出典元として関心が集まる万葉集に触れてもらおうと、高松市玉藻町の県立ミュージアムで5日、所蔵する江戸時代前期に木版印刷された万葉集の公開が始まった。来館者は漢文から「令」「和」の文字を探し、食い入るように見入っている。21日まで。
同ミュージアムは、高松松平家伝来のコレクションの一つとして、1643(寛永20)年に木版印刷された万葉集全20巻を収蔵している。
常設展示室で、引用された巻五「梅花の歌三十二首」の序文の該当箇所を開いた状態で展示。漢文で書かれた一節を見ることができ、現代語訳のパネルも設けた。文中、本来は大宰府(福岡県)の長官だった大伴旅人を指す「帥(そち)」と書くべきところ、誤って「師」としているため、朱を入れて訂正したり、返り点を書き込んだりした跡なども確認できる。
家族で訪れた飯野小6年の久米涼介君(11)は「漢字ばかりで難しいけれど、『令』『和』の部分は分かった。令和の時代は争いがなく、平和に暮らせる世の中になってほしい」と話していた。
観覧料は一般410円ほか。13日午後1時半からは学芸員による解説がある(申し込みは不要だが、観覧券が必要)。月曜休館。問い合わせは学芸課〈087(822)0247〉。
外部リンク