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LINEでは、こうしてます。

出戻りしたからこそ感じる、LINEでPMとして働く意義や価値とは?

LINEでは、厳選かつ積極採用を掲げていて、毎月新しいメンバーを迎えています。

そんななか、一度LINEを辞めて他社を経てLINEに再入社をする、いわゆる"出戻り"入社をする方々も一定数存在します。今回は、LINEに出戻りしたプロダクトマネージャー(以下PM)3名に、転職を考えたきっかけや再びLINEに入社した理由、他社との違い、苦労や魅力などについて話を聞いてみました。

ーーまずは自己紹介をお願いします。

鈴木

2015年にLINEアプリの企画職として入社して3年半ほど在籍後、他社に転職して、2020年の2月にLINEに戻ってきました。前回在職時の主な業務はトークルームの改善やLINE LIVEなど関連サービスとメッセンジャーの連携部分の企画などです。

一度転職した先は、保険管理サービスのスタートアップでして、PMをはじめその他にも色んな業務を行っていました。戻ってからはLINEほけんのサービス企画を経て、今はLINEの銀行事業でPMを担当してます。

伊井

僕は2015年に新卒でLINEに入社後、約3年半在籍して転職しました。いわゆるITメガベンチャーでLINEと同じように企画業務を行い、その後ゲームやライセンスビジネスを行っている企業に移り東南アジアでの事業展開を推進するため、海外と日本の往復生活をしていました。

合わせて2年弱くらいを経て、2020年の3月にLINEに戻っています。転職前も戻ってからも、LINEアプリ上の企業向けの機能、例えばLINE BeaconやMessaging APIなどを企画を担当しています。

Sehyun

僕も2014年にLINEアプリの企画を担当する部門に入社し、5年ぐらい在籍しました。主にLINEスタンプやLINEきせかえなどをPMとして担当し、あと他にもLINEのウォレットタブの企画などもしていました。

LINEを一度辞めてからはニュースアプリの会社に入って、アプリ内の新しい機能の企画やリリースに携わりました。2020年にLINEに戻ってからは、LINE上にあるタイムラインを全体的に管轄しています。

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上段は鈴木、下段左から伊井、Sehyun。

ーー早速ですが、LINEを辞めて転職しようと思ったきっかけや当時の気持ちを教えてください。

鈴木

きましたね、早速(笑)。僕はLINEのメッセンジャー機能の企画担当としてずっとプラットフォームに向き合っていましたが、いつか事業部で個別のサービスに向き合いたかったこと、あとFintech領域にずっと興味があったというのが転職する上で大きかったですね。

実は当時、LINEでもFintech領域のサービスが企画され始めていたのですが、ちょうど保険管理サービスを運営するスタートアップからお誘いが来て、そちらに転職を決めました。

Fintechのサービスは色々あれど、保険領域って当時はそんなになかったんですよね。プライベートでも保険で困った経験があったのでやってみたいなって思ったのが正直なところです。プロダクトイメージがはっきりしていたし、当時の自分の志向にどハマりする環境からお誘いを受けたので、転職を決めました。

伊井

僕も鈴木さんと同じく、Sehyunさんも同じだと思うのですが、LINEに不満があって辞めたわけではないです。いわゆる3年目シンドロームと言うか、

一通り自分で仕事が回せるようになってきて、やっていることの飽きも正直来て、自分が環境を変えたときにどこまで自分の力が通用するのか気になってくる。そんなタイミングは必ず人は誰しも来ると思うんですけど、僕は完全にそれでした。

あと、LINEで培ったスキルが外の世界でどれだけ通用するか、自分に市場価値がどれだけあるのかというのが分からなかった。それを確かめるためにも、一回出た上で自分の価値を客観的に測ってみたかったのが一番大きいです。

自己弁護と社内の新卒入社の人のために言っておくと、当時も今の上司にも率直に相談してましたし、社内の異動とか他のプロジェクトとかもちゃんと見てました。ただ、当時の自分にとっては自分の力量をはかる環境を変えるということが、一番重要なことでした。

Sehyun

僕は入社したときにやりたかったサービスを全部やれたと思ったのがきっかけですね。入社時には当時一番伸び盛りだったメッセンジャー、その後LINEのコアとなったスタンプも担当できて。

あとは入社したときに比べて結構会社が大きくなって、もう少し小さい規模の世界を、もう一度経験してみたいと思ったのがきっかけでしたね。

ーー他社に転職してみて、実際いかがでしたか?

鈴木

正直に言うと、やり遂げてLINEに戻ってきたというわけではないです。スタートアップに入社して、僕が入るときに既にプロダクトのバージョン1はリリースされていたんですが、それを成長させるのが色んな面で困難でした。例えば、体制としては全体で10名、常勤メンバーは5名ぐらいの会社だったんですが、長い間エンジニアが採用できず開発がまわりませんでした。

また、黒字化のために、PMもToB向け販売戦略を立てたり営業したりする必要があって、プロダクトのグロースや機能追加に注力することがなかなか難しかったりもしました。

もちろんスタートアップに行く以上、こういったことはある程度覚悟はした上で挑戦はしましたが、実際は僕にとっては思った以上に壁が厚かった。そういう意味でプロダクトに集中できるLINEの環境は恵まれているし、自分はその方が好きなんだということを再認識しました。

Sehyun

規模の小ささゆえの苦労はありますよね。LINEの良いところは、ベンチャー的な考え方や判断がしっかり残りつつ、体力があるところだと思っています。

UXの追求やサービスの成長に腰を据えられる力があるのは、たぶんLINEで働くメンバーが共通して感じる魅力だと思います。

鈴木

そうですね。あと、自分は転職先のアプリのコンセプトは本当に良いものだと思っていましたが、ダウンロード数が伸び悩んでいるなかで、これが世の中に受け入れられるのかという疑念もありました。

それは自分たちの企画や機能が悪いからグロースしないのでは、と悩み深い日々でした。ただ、そういう目線で自分がしていることが正しいのか常に疑うというのは、今でも必要なことだと感じていますし、良い経験だったと思います。

伊井

僕は、転職して想定通り優秀な人がたくさんいて、そこは楽しめたと思いますし、自分がちゃんとついていけるなという感覚が得られました。自分の市場価値の確認としては、外に出てみて良かったです。

最初の会社は思っていたとおり、それ以上の優秀な人たちがたくさんいて、そのなかでも付いていける手応えが正直ありました。ただ、仕事的には元々の領域と変わらなかったので新しい発見という感覚は少なかったように思います。もう一つの会社は海外向けに働きたいという自分の思い描いていたことが、どんぴしゃで得られたので、満足できる時間を過ごせました。

Sehyun

僕が転職した会社は開発・デザイナーとの距離が近いし、スピード感もありました。自席のまわりに開発者もデザイナーもいて、すぐに議論してサービス改善を進めていけるのは魅力ですよね。当時200名ぐらいの全社規模で、CEOが週次で社内へ発信し、その時点の認識を合わせられていたりと、その規模ならではの良い部分を再確認できました。

自分としても成長を感じましたし、仕事でも成果を得られたと思います。ただ、企業の中にメインの一つのプロダクトでという環境だったので、そのサービスに対して愛情をどこまで持てるかが大事で、ちょっと合わないかもと感じたときに、他のサービスの選択肢がないのは自分にとっては課題でしたね。

鈴木

LINEは、選択肢が社内に色々あるのが良いですよね。飽き性な人でも働けるというか。もちろんずっと同じサービスに職人的に携わっている人もいますが、規模感やプラットフォームとして様々な事業を展開しようとしている環境の利点の一つかなと思います。

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ーーLINEに戻ろうと思ったきっかけについても教えてください。

Sehyun

戻りたいという気持ちはそこまで強くなかったです(笑)。ただ、ニュースサービスに関しては経験が十分積めたという感覚が自分の中にありました。別の企業への転職も検討しているなかで、当時のLINEのタイムラインの責任者から大事なプロジェクトがあるから手伝ってほしいと連絡があって、未知の領域だったので戻ることを決めました。

伊井

僕が戻るきっかけになったのはヤフーとの経営統合のニュースですね。ニュースを聞いて、その大きな変化に自分が携われないのがすごく寂しく感じたんです、たぶん絶対大変なんですけど。そこで自分がすごくLINEという会社や一緒に働くメンバーが好きだったんだなって気づきました。

鈴木

僕も転職を考えたときに、一番に浮かんだのがLINEでした。元々不満を持っていたわけでなく、上司とも定期的に連絡を取っていたので近況も知れていました。Fintech系のサービスに携わりたいという想いは変わらないなかで、LINEのFintech領域が具体的に動き出していたタイミングだったので、進め方もイメージできましたし、もう一度挑戦をという気持ちが自然と湧いてきました。

ーー他社とLINEの違いはどんなところに感じますか?

伊井

僕がいた2社との比較で言うと、LINEは勢いベースで進むことが多いなと思います(笑)。前職は数字で話さないと開発もビジネスも進まない文化でした。もちろんLINEでも数字は見るんですが、しかるべき人が決断したときの物事の進み方というかスピードは凄まじいですね。

鈴木

確かに、数字やデータも前よりかなり見るようにはなっていますけど、それだけじゃないよね、という考えは根付いてるかもしれないですね。データは大事でアイデアの発見や補強にするけど、最終的な決断は数字だけではない。

Sehyun

5〜6年前のLINEに比べると、すごくデータ中心の会社になっている感覚はありますよね。当時は定性的な観点、例えばこの機能あったらユーザー的に面白いねというのを数字を見ずに進めていたりした。

サービスや機能も増えて、案件が多いなかでどれを優先的に実施していくか、ユーザーにとって良いかは数字で見ないと実際のところは分からないので、定量的な観点が大事になってるのは良いことだと思います。

ーー定性と定量、どちらも大切にしていく必要があるということですよね。そういったなかで、PMの役割とは?

Sehyun

データは大切だけどそれだけで判断するのは危険なんですよね。例えば広告をたくさん表示すると売上は上がるけど、ユーザーは嫌ですよね。でもユーザーが嫌なことをどう数字で証明するかは難しい。そういうユーザー観点と数字すべてをちゃんと認識して、分析して考えられる人が優秀なPMなんだと思います。

伊井

僕のまわりでは、基本的に現場で話して現場で意思決定をしていくので、PMの決断は重要です。重い意思決定以外は、現場のPMと開発側で話して決める。

これは僕の上司のポリシーかもしれないですけど、今も昔も上から色々と指示出ししたりということは無い。自身がどうしたいかという意志が尊重されるので、それを元に周囲に納得してもらうためには何故そうするのか、背景から関係者にきちんと伝えていくのが基本です。

もちろん、反論や指摘も出てきますが、それは一つひとつ話して潰していくしかない。LINEの開発のメンバーは話せば分かるというか、必要性を理解しようとしてくれるのでそういった意思決定ができるんだとも思います。

鈴木

僕が今いる銀行事業では、そもそも事業自体が立ち上げ期で、かつ金融の厳しい基準があるので、関与するチームも多く意思決定は正直複雑です。

ただ、そういう状況のなかでも承認フローとして誰が決める、じゃなくてPMが旗を振って整理をして、現場としての合意形成をまとめる。まわりを巻き込みながら一緒に決めていくことは意識しています。3.jpg

ーー開発や関係部署との仕事の進め方、PMとしての担当範囲も詳しく教えてください。

鈴木

伊井さんも言ってましたけど、フラットに話せるエンジニアのメンバーがたくさんいるのは本当に良い環境だと思いますね。通常この規模の組織だと、こっちで決めたものをそのまま作ってもらうという受発注の関係になりがちだと思うんですが、まだ「一緒に作ろうぜ」という雰囲気というか、仕事の進め方ができるのはありがたいです。

Sehyun

僕の管轄だと企画のブレインストーミングの段階から開発メンバーやデザイナーみんなに入ってもらって一緒に色々意見交換して方向性から一緒に決めることが多いです。意思決定後に、開発側の問題で大きくずれるなど調整も必要ないので。

伊井

開発側のレベルが高いからこそ、事前にちゃんと話しておくことで、良いインプットももらえるし、出し戻しの工数削減にもなるんですかね。

Sehyun

あと関わるメンバーのやりがいも違うかなと思って。最初に認識を合わせて始めると、追加のアイデアの提案も来たりするので、全然違うと思いますね。

伊井

確かに、僕も余白を残すことを心がけてますね。余白の埋め方をみんなで考えることが重要というか。前職では仕様書を細部までがっちり固めて渡していたので、そういう動きができるのは確かにLINEっぽい部分かもしれないですね。

鈴木

ただ、僕が以前に比べると変わってきたなと思うのが、技術領域のプロジェクトマネージャーが増えていること。特に僕のいる銀行事業では、人もニーズも増えています。事業やサービスによっては、直接開発に携わる人とワンクッション挟んでのコミュニケーションが求められるケースも出てきています。

ーーLINEのPMの特徴、働くことで得られる経験とは?

鈴木

転職を経験してる人は特に分かりやすいと思うんですけど、特に新卒メンバーに伝えておきたいのは、小さい会社に入るとLINEの環境とかが当たり前じゃないんだぞということですかね(笑)。テスト設計からQA、CS、PRとかもスタートアップだと自分でやる必要がある。

PMの本業に集中できる環境がLINEにはあるから、逆に言うと、まわりの仕事がブラックボックスになりがちなので、そういうところは気を付けなきゃいけないですけどね。

まわりの人たちがどんな風に仕事しているか興味を持って意識しないと、一緒に仕事をしていく上であんまりスムーズに進まないことも多いので、業務特性や苦しみを理解してた方がPMとしては働きやすくなるかと。

伊井

マイナスっぽいところを挙げるとすれば、LINEだと何を出してもそれなりに反応があるんですよね。自分が良いものを作ったという感覚が割と簡単に感じられてしまうので、自分の実力を過大評価しないようにすることが気を付けるべきポイントかなとは思います。と言っておきながら僕自身あまり意識できてなかったので、他社で確かめたんですけど(笑)。

Sehyun

LINEでは連携できるサービスが本当に多くて、色々なサービスとクロスオーバーしながらする業務が多いです。自分の担当はもちろん、他のサービスを活かすことも常に意識する必要があります。あと、一緒に仕事をする人の数がすごく多いので、100人単位の人とプロジェクト進行することでストレスとかを受ける方だと、ちょっと難しいかもしれないですね。

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ーーLINEのPMとして欲しい人、評価される人ってどんな人?

鈴木

あえて余白を残すみたいな話がありましたけど、多分LINEのPMとして求められる要素って一見アンコントローラブルに見える要素もコントロールしていくというか、楽しんでいく力なんじゃないかなって思っていて。

例えば社内では会社をあらわす形容詞として「カオス」とかよく言いますけど、経営の決断が早いがゆえに色んなことが目まぐるしく変わっていく環境です。

そのカオスをカオスのまま楽しむとか、とりあえず先に進んで後はみんなで詰めていこうといった気持ちで臨める人は向いてるんじゃないかなって思いますね。

伊井

全く同じことを言おうとしてました。カオスを楽しめる人。ルールも状況も決まりきってないなかで、まわりを巻き込みながら進んでいける人だと思います。

Sehyun

自分自身が担当している機能は自分が誰よりも詳しく知っているはずなので、マネージャーの指示があったとしても従うだけじゃなく、アイデアを出したり、逆に上司を説得して新しいロードマップを描けるぐらいのオーナーシップを持てる方が良いのかなと思います。

自分がその機能に世界ー詳しいという自信が必要なので、他の誰よりも深く考えたり、調べたり、学ぶ姿勢が大切だと思います。

伊井

あとは、自戒を込めてですが、そもそもの課題を発見する意識をもっと持てると良いですかね。LINEは裁量が大きいがゆえゆえに、課題解決のタスクをガッと詰め込んで、気付いたら課題を発見する側の仕事にまで手が回らなかったりしがちなので。

鈴木

ちょっと分かるかな。課題発見できるところは、これから伸ばしていくべきところなのかもしれない。調整役にまわりがちな職種だからこそ、課題を見つけるところから自分でやって、解決のための筋道を描くというか。

「ユーザーは今こういうふうに困っているよね」とか、「こうなっているとよくないから、こういうふうにしていきたいんだよね」という背景からちゃんと人に説明していって切々と解いていく、のような。

ーー最後に、一言ずついただけますか?

鈴木

僕たちが出戻ってきたというのは、LINEの懐が深いというのもありますが、それだけLINEで働くことがクセになる何かがあるんでしょう。正直万人向けでは無いですが、ハマる人にはハマるそんな環境だと思うので、是非どんなところか興味を持ってくれると嬉しいです。

Sehyun

何年いても、環境を変えて戻ってきても、おもしろい案件やチャレンジが尽きないのは変わった会社だと思います。もちろんサービスが出た頃とは違いますが、今は今、そしてこれからもこれからでおもしろいプロダクトや課題に取り組める。こういうことを前向きに考えられる人は、ぜひ一緒に働きましょう。

伊井

どハマりしている一人ですが、会社やサービスだけじゃなくて、一緒に働いている人や働いてるなかで感じられる経験や刺激が好きなんだと思います。良くも悪くも無茶振りや変化に溢れる環境です。カオスを一緒に楽しめる方をお待ちしています。

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桃木 耕太

2013年にLINEに中途で入社、今は開発組織と採用組織でWebサイト/コンテンツやイベントの企画/制作などをしてます。