2020年度の入試が近づいてきました。本番にむけた取り組みも追い込みの時期をむかえます。合格に近づくための学習ポイントや心構えについて麻布個人指導会に聞きました。(協力・麻布個人指導会)
志望校のレベルを確認
追い込みの時期の勉強では志望校にねらいを定めた取り組みが欠かせません。そのためには過去問(実際の入試問題)の演習がぴったりです。過去問を解くことで出題の傾向を理解し、どのような力を求められているのかをとらえます。
これからの演習で大事なのは志望校の合格に必要な力を身につけることです。出題のレベル(難易度)を確かめ、そのレベルをクリアするために必要な課題をおさえます。
秋以降に開催される学校説明会のなかには「入試体験」をもり込む学校があります。実際の入試と同じ会場で、本番と同じような問題を解くというプログラムです。受験することを視野に入れている学校が実施する場合、参加することをおすすめします。
回数より内容を重視
秋が深まると、入試までの日数が気になります。1週間のうち1日を過去問の演習にあてたとして、本番までに何年分を解けるだろうか――。こんなふうに考えたとき、演習に取り組める日にちや回数がそれほど多くないことに気がつき、驚く受験生がいるかもしれません。けれども大切なのは回数ではありません。
追い込みの時期で重要なのは「中身のある勉強」を想定したスケジュールです。回数をこなすことに主眼を置いた計画を立てると、演習でまちがえた問題を見直したり復習したりする時間をとるのが難しくなる場合があります。
入試で合格最低点を上回るには「出題されたらいやだな」と不安を感じる単元や分野の「穴」をできるだけ少なくすることが大事です。
優先順位をつけてクリア
過去問の演習に取りかかるとき、受験生は大きく二つのタイプにわかれるようです。一つは本番にむけて「本気モード」になるタイプ。もう一つは「入試までに力がつくだろうか」と不安をおぼえるタイプです。
不安を感じる受験生は勉強する内容に優先順位をつけ、上位のものから取り組んでみてはどうでしょうか。一つひとつの目標をクリアすることで達成感を味わえ、計画通りに進めば自信にもつながります。
あせりを感じるのはしかたがありません。でも、わたしたちはこの時期から飛躍的に力をのばす受験生たちを数多く見てきました。精神的に成長して集中力が高まり、学習の効果があらわれるのだと思います。
保護者は見守る姿勢で
入試が近づくにつれて、受験生自身はもちろん、保護者もそわそわした気持ちになりがちです。模擬試験(模試)の偏差値や合格可能性の判定なども、これまで以上に気になります。
たとえ落ちつかなくても、保護者はその気持ちをそのまま口にすることはひかえます。受験生にとっていちばん好ましいのは「ストレスがない」という状態です。保護者のあせりや不安が伝わってプラスになることはなにもありません。
保護者は受験生をあたたかく見守ってください。口数が少なくなったり、元気がなくなったりしていないか気にかけ、こうした「サイン」に気がついたら、それとなく声をかけます。本人に寄り添い、悩みがあれば共有して心の負担を軽くするのが保護者の役目です。
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