中学入試へ向け、模擬試験(模試)や、学校の説明会などが行われています。SAPIX小学部教育情報センター本部長の広野雅明さんは、この時期から苦手な単元の対策を始めることをすすめます。おすすめの勉強法や、心がけることを聞きました。(小貫友里)
模試で手ごたえチェック
今の時期から少しずつ、実力テストで点を取れる力をつける勉強に取り組むことを、広野さんはすすめます。
「苦手」を知るために、夏休み前までに模試を2回以上は受けてみましょう。「習ったばかりの単元が出て、ぐうぜん成績がよかったということもあります。何回かの結果をつき合わせて判断しましょう」
模試を受けたら、どれくらい手ごたえがあったかを確認します。手ごたえと実際の結果を比べると、自分は楽観的で解けたと思いがちなタイプなのか、実際よりもできなかったと思いがちなタイプなのかがわかります。
得点や偏差値が気になりますが、模試は解き直しが重要です。最近の模試には、設問ごとの正答率が示されているものもあります。受験者全体の正答率が高いのに、まちがえた問題を優先して解き直しましょう。
苦手な分野がわかったら、少しずつでもいいので、塾や学校の宿題と別に時間を作って取り組みましょう。単元ごとのポイントがまとまっている、うすい問題集を解いて基礎を固めるのがおすすめです。
実際に学校へ行ってみよう
広野さんによると、首都圏では平均で1人当たり、のべ7校を出願しています。受験校を決めるために、20~30校を比較しているようです。この時期、休日には、中学校がいくつか集まって合同説明会を開いたり、各校で説明会を行ったりしています。子どもが参加できる場合には、ぜひ行ってみましょう。「先生や生徒と話すと、学校の雰囲気を知ることができます」
4~6月にかけて、文化祭や体育祭などさまざまな行事がある学校もあります。すでに志望校が決まっている人も、できれば実際に学校を訪れて、自分の気持ちを確認しましょう。
イベントの日は、学校が混み合い、ゆっくり見学できないこともあります。4、5年生で受験を考えている人は今のうちから、興味がある学校のイベントに行ってみるのもおすすめです。
6年生になり、塾や学校で授業時間が増えるなどして、いそがしくなったと感じている人もいるかもしれません。昼間にねむくなったとしたら睡眠不足です。「時間が足りなくても、睡眠をけずることは好ましくありません。必要な分、睡眠を取りましょう」
受験本番まではまだ時間があります。「今の時点で行きたい学校に偏差値が足りなくても、ここから成績がのびて合格する人もいます。あきらめる必要はないので一生懸命勉強しましょう」と広野さんは言います。
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