<第1話>
唯一の家族である病気の妹を支えながら生きるフィ、父は高官だが奴婢の母から生まれた庶子という理由で差別されてきたソノは、共に武芸の鍛錬に励む親友だった。ある日、武科の実施が発表され、貧しいフィは禄米を稼ぐため、ソノは将軍イ・ソンゲの右腕として新たな国の中心に立つべく受験を決意する。一方、男装して戦争反対の貼り紙を貼っていたヒジェは役人に追われ、偶然出会ったフィとソノに救われる。3人は梨花(イファ)楼で酒を飲み交わし、友になるが…。
<第2話>
フィは武科試験の受験を志願するも死罪人の息子という理由で拒否され、妹のヨンは父ソ・ゴムが自決した日のことを思い出して、てんかんの発作を起こしてしまう。ヒジェはヨンの薬を買う金のないフィがツケ払いできるように手助けをする。そんな中、ナム・ジョンは息子のソノをイ・ソンゲの狩りに同行させることに。父に狩り子の手配を命じられたソノは、イ・ソンゲの目に留まれば武科試験を受けられなくても私兵になれると告げ、フィを連れていくが…。
<第3話>
フィは狩猟場でイ・ソンゲに弓の実力を認められ、武科試験の受験資格を獲得。ヒジェは、フィが幼い頃に自分を救ってくれた高麗一の剣士ソ・ゴムの息子だと知り、密かに運命を感じる。一方、ソノは庶子として差別され、亡き兄と比較される人生から抜け出すために武科試験の首席合格を目指すが、貼り紙犯を追っていた役人に斬られ、大怪我を負った状態で試験に臨むことになる。最終試験に残ったフィとソノは、首席の座を目指して決死の闘いを繰り広げるが…。
<第4話>
ナム・ジョンが試験官を買収したことにより、ソノに首席の座を奪われたフィ。ヒジェは満身創痍で倒れたフィを梨花楼に運び、傷の手当てをする。意識を取り戻したフィは梨花楼で試験官と酒を飲み交わすナム・ジョンを目撃し、すべてを悟る。一方、ヒジェは行首(ヘンス)ソ・ソルが試験官の買収に協力していたことを知り、不正を告発して再試験を求める投書を司憲府(サホンブ)に送る。これを知ったイ・ソンゲはソノとナム・ジョンを山奥に呼び出し、試験官を殺せと命じるが…。
<第5話>
ヒジェはフィに軍役を課したソノを責め、行首にも失望して梨花楼を離れることを決意する。その頃、フィは遼東征伐軍の先発隊として、生き残りを賭けた壮絶な闘いに挑んでいた。無能な隊長に目をつけられたフィは敵将の首を取ってこいと命じられ、チドと2人きりで敵陣に乗り込む。フィは敵将に矢を命中させることに成功するが、チドが敵に斬られて大怪我を負う。フィは見覚えのある入れ墨をチドの腕に発見し、父ソ・ゴムとの意外な縁を知って驚くが…。
<第6話>
知略と武術に長けたフィは周囲の信望を集め、戦場で頭角を現していく。チドは本陣にとって先発隊は捨て駒に過ぎないと言い、何としても生き抜こうとフィに告げる。一方、梨花楼を出たヒジェは、イ・ソンゲの第二夫人カン氏の屋敷へ。カン氏を守ると伝え、イ・ソンゲの五男バンウォンの到着を待つ。そんな中、イ・ソンゲは王命に背いて遼東征伐軍を都に引き返すという決断を下す。ソノは先発隊の生き残りを始末する刺殺隊として前線に送られるが…。
<第7話>
刺殺隊を率いて前線に向かったソノは、フィと運命的に再会。ところがその瞬間ソノは侍衛長のソンノクに誤って刺され、重傷を負ってしまう。フィは友を救ってほしいとムンボクに懇願し、一命を取り留めたソノを連れて、仲間と共に都を目指す。ところが一行は刺殺隊の抹殺を命じられた兵士に襲撃され、フィはナム・ジョンがソノを捨てたことを知る。巷でイ・ソンゲが王になるという噂が流れる中、意識を取り戻したソノ。フィはヨンの安否を尋ねるが…。
<第8話>
イ・ソンゲが高麗の首都、開京を陥落させる。ナム・ジョンはイ・ソンゲに忠誠を誓い、王族を根絶やしにして新たな国を築くべきだと進言。バンウォンはナム・ジョンの言葉をあざ笑い、身の程をわきまえるよう忠告するが、イ・ソンゲはそんなバンウォンを戒める。一方、フィは仲間に別れを告げて我が家に戻り、ヨンの花靴を手に涙を流す。ヨンの復讐を心に誓ったフィはナム・ジョンを殺すつもりで屋敷に忍び込むが、予想だにしなかった光景を目にして…。
<第9話>
朝鮮を建国し、初代国王の座に就いたイ・ソンゲ。イ・バンウォンは、イ・ソンゲが末息子で庶子の幼いバンソクを世子に冊封しようとしていることに激しく抗議する。ソノは王宮では礼節をわきまえてほしいと忠告するが、バンウォンは一向に意に介さない。一方、フィはナム・ジョンに人質に取られたヨンを守るため、ソノの命令に従ってバンウォンの弱点を探り始める。そんな中、ヒジェは脱走者の死亡者名簿でフィの名を確認し、灯籠を流して魂を弔うが…。
<第10話>
町で思わずヨンに声をかけ、名前を呼んだフィ。これを知ったソノは、兄のことを忘れさせることがヨンのためになると告げ、フィを町に呼び出す。フィはヨンに会うために身なりを整えて町へと向かうが、ソノはフィを見るなり人を殺し歩く悪党だと言い放ってヨンとの仲を引き裂く。そんな中、梨花楼に開国功臣チョン・サジョンが訪れ、酒に酔ってファウォルに暴力をふるう。ヒジェは躊躇して動けないキョルの剣を代わりに抜き、サジョンを斬ろうとするが…。
<第11話>
梨花楼に乗り込み、チョン・サジョンを殺害したフィ。ヒジェはフィとの再会に涙を流すが、冷たく突き放される。ヒジェはフィを守るためにサジョンの遺体を片付けて暗殺事件を隠蔽し、黒幕はバンウォンだと推測。そんな中、バンウォンが梨花楼を訪れ、刺客を送ったのは自分だと明かす。ヒジェはフィの居所を突き止め、自分の髪飾りが弓に巻かれていることに気づいて彼を抱き締める。そんな2人の姿を目撃したソノは、酒で気を紛らわせようとするが…。
<第12話>
フィはソノの計画に従ってイ・バンウォンの武器庫を襲撃。フィの計略と事情を知ったチドとムンボク、チョン・ボムも死を覚悟で協力を申し出る。一方、バンウォンはソノが重臣の私兵を解散させていると知り、王宮の宴に乗り込む。ソノはその場で私兵を廃止すべきだと進言するが、イ・ソンゲの言葉を遮ったために怒りを買う。そんな中、フィはバンウォンの懐に入るべく、偶然を装って王族の狩り場へ。テリョンとチョンガは無礼なフィを斬ろうとするが…。
<第13話>
イ・バンウォンの屋敷に連行され、絶体絶命の危機に陥ったフィ。ソノはフィの元に駆けつけ、チョン・サジョン暗殺の黒幕を白状すれば生かしてやると告げる。バンウォンはソノの問いをはね付けたフィを見逃し、自分に近づいた理由を尋ねる。一方ソノは計画通りバンウォンの武器庫に踏み込むが、武器はフィによって司憲府に移されたあとだった。バンウォンは自分の窮地を救ってソノを陥れたフィの魂胆を疑い、仲間を人質に取って誰の差し金か問いただすが…。
<第14話>
フィの予定外の行動によって、ソノは王族を脅した罪で罷免され、投獄される。ヨンは憤慨したナム・ジョンによって、理由もわからぬまま物置に閉じ込められてしまう。バンウォンはフィとチドら仲間たちが先発隊の生き残りであることを確認して私兵に加え、圃隠(ボウン)を殺した橋にフィを連れて行く。フィは自分の剣で王にしてみせるとバンウォンに宣言。その一方で、密書によって知った内容を矢文でイ・ソンゲに送り、ナム・ジョンに揺さぶりをかけるが…。
<第15話>
ナム・ジョンは屋敷の前で密書の内容が記された貼り紙を見て驚愕。ソノもまた、ナム家が破滅の危機にさらされていることを悟る。ナム・ジョンに詰問されたフィはイ・バンウォンに命じられたと答えるが、その頃バンウォンもフィの行方を追っていた。フィは自分を心配する仲間たちに計画通りだと告げ、密書の証人であるカンゲを捕らえに行く。フィの後を追ってやってきたヒジェは、カンゲこそが母を殺した男だと気づき、復讐を遂げようとするが…。
<第16話>
バンウォンに捕らわれたフィは、自分の狙いはナム・ジョンだと答え、王はバンウォンよりナム・ジョンを選ぶはずだと断言。フィの言葉通り、イ・ソンゲはバンソクの世子冊封を急ぎ、私兵の解体を命じてバンウォンを都から追い出そうとする。そんな中、フィは祝宴を開いたナム・ジョンの屋敷に再び密書の内容を貼り付け、時を見て王に原本を見せるとバンウォンに告げる。不安に駆られたナム・ジョンはフィを呼び出し、バンウォンの殺害を指示するが…。