江戸の人々は読み書きばっちり?
江戸の識字率は、世界でも高いレベルだったという説もあります。なぜ、江戸の識字率はそんなに優れていたのでしょうか?その答えは、寺子屋にありました。
寺子屋は、浪人や知識人が開いた庶民の学校です。下級武士から町人、農民まで幅広い階級の子どもたちが主に読み書きを学んでいました。
寺子屋の師匠になるには特に資格はいらず、武士や僧侶など様々な身分の人がおり、苦労人も多かったようです。
入学金や授業料、お金はどのくらい?
寺子屋に入門する日は、7歳の初午(旧暦2月の最初の午の日)の翌日です。入学にあたり準備するものは、墨や半紙、筆、文鎮などの筆記用具、入学金の束脩(そくしゅう)など。
束脩は金額が決まっておらず、菓子折りや扇子を納める家庭もあったそう。ほかにも月謝にあたる「月並銭」、五節句や盆・暮れに払う「謝儀」、6月頃には畳がえの費用、冬には暖房費の炭料と、色々とお金がかかりましたが、家庭の経済状態によって融通をきかせてくれたのです。だから、庶民でも寺子屋に通えたのです。
1日のカリキュラムは?
五ツ時(午前8時頃)始業し、午前中は習字の時間です。ぴったり8時に来なくても、怒られることはありません。正午から1時まで昼休み。帰宅して、家でお昼を食べる子供が多かったようです。午後1時からは、算術や礼法の時間です。八ツ時(午後2時)に終業…1日の流れはこんな感じです。
寺子屋では、「往来物」という教科書を使って、読み書き算術、基礎的な教養を学んでいました。また女子には、師匠の妻が裁縫を教えることもあったようです。
お休み多いぞ。寺子屋の1年間。
寺子屋は、毎月1日、15日、25日がお休みです。さらに正月休みや2月の初午、7月の盆休み、節句休みなど、休みがとっても多いんです!さらに真夏日には、半日授業になるそう。
大きな行事としては、席書(せきがき)がありました。これは習字の発表会で、日頃の学習の成果をみせる場なのです。月末には小浚い(こざらい)、年末には大浚い(おおざらい)という読み方の試験もありました。
誰でも通える寺子屋は、子どもたちが学ぶ意欲を高めるのにもってこいの場でした。江戸が識字率の高さがあがるのも納得ですね。