本屋さんにはたくさんの本があふれ、お子さんに手渡す1冊に迷ってしまうことがありますよね。子どもの本の専門店・ちいさいおうち書店(長野県松本市)の店長・越高一夫さんが、最近出た本の中から、おすすめの3冊を紹介します。今日は、低学年からの1冊です。
『やぎこ先生 いちねんせい』
文 ななもりさちこ、絵 大島妙子、福音館書店、1836円
おっちょこちょいの新米先生
やぎやま小学校の今年の1年生は、8ぴきのこやぎたちです。そこへ、担任としてやってきたのが、同じく「先生1年生」のやぎこ先生。のどかな山里の小学校にやってきた、先生とこやぎたちの、ゆかいで楽しい1年間の始まりです。
新学期が始まったばかりなのに、学校へ着ていく服をどれにしようか、まよってちこくしたり、夏休みにはこやぎたちに宿題を出すのを忘れてしまったり。その上、秋の運動会では、ほしくさ玉ころがしで大失敗するなど、校長先生におこられてばかりのやぎこ先生ですが、こやぎたちがしっかりささえてくれます。
お調子者のベエきちくんや、元気なトトくん、しっかり者のメーコちゃんなど、先生のことが大好きなこやぎたちと力を合わせて、最後には校長先生をびっくりさせます。
表紙にえがかれている、やぎこ先生と8ぴきのこやぎたちのとびっきりの笑顔につられて、つい本を手に取って、読んでみたくなります。こんな学校だったら、毎日がなんてすてきだろう。そう感じる作品です。
* *
次回配信では、中学年からの1冊を紹介します。
外部リンク