四国新聞社は18日、県内のリーディングカンパニー200社を対象に実施した2020年春の採用計画に関するアンケート結果をまとめた。採用予定人数を今春と比べて「増加」とした企業は過去最高の44・6%に達した。「減少」は1割にも満たず、採用拡大の流れは継続。人手不足を背景に6年連続で「増加」が「減少」を上回った。人手不足は幅広い業種で深刻さを増し、今春の採用予定数を「確保できなかった」とする企業は半数超、人手確保に不安を感じる企業は9割を超えた。
採用予定人数を「増加」とした企業は前年調査比3・8ポイント増。「減少」は同0・4ポイント減の8・1%、「今春並み」は同3・9ポイント減の41・2%だった。「未定・その他」は6・1%。
県内企業の採用姿勢は13年春採用以降、抑制傾向に歯止めが掛かり、15年春採用からは「増加」が「減少」を大きく上回るようになった。この流れは20年春も続く見通しだ。
業種別にみると、運輸と電気ガスは、全ての企業が「増加」と回答。製造、小売、情報通信も5割以上が「増加」としており、採用拡大の動きは業種の垣根を越えて広がっている。
従業員の過不足は、「不足」「やや不足」が計71・2%と前年調査から1・3ポイント増え、7割を突破。「過剰」「やや過剰」は計3・7%、「適正」は25・2%だった。
今春の採用活動で予定人数を確保できたかとの問いでは、「確保できなかった」が56・3%で、「確保できた」の43・7%を上回った。今後の人材確保に不安が「大いにある」は54・5%で、「多少ある」の36・4%を加えると9割を超えた。学生の売り手市場が続く中、地方の企業が採用に苦戦している。
賃金の状況では、今春に賃上げを行った企業は60・9%。内訳はベースアップが66・7%、一時金の増額は7・4%だった。賃上げの理由では、「労働環境の改善」(48・1%)や「人手不足の解消」(24・7%)が、「業績改善」(22・2%)を上回り、賃金アップで人手を確保しようとする企業の姿がうかがえる。
経団連が来春を最後に廃止を決めた就活ルールについては、「あった方がいい」が65・1%、「なくてもいい」は34・9%で、ルール堅持派が優勢。新卒採用の今後の方針は、「通年採用を導入」は6・8%、「通年採用を検討」は19・7%で、一括採用から通年採用への移行には慎重な企業が多かった。
アンケート
売上高や業種を考慮し、県内主要企業200社を対象に実施。153社(製造59社、非製造94社)から回答を得た。調査期間は4月19日~5月27日。
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