年齢が40代を迎えてから、何となく意欲が湧かず、疲れやすくなった-。そう感じる人は多いのではないだろうか。新企画「年齢と賢く付き合う術~『思秋期』への処方箋」では、年齢を重ねてもはつらつと前向きに生きるこつを精神科医の和田秀樹氏(58)が伝授する。今回は和田氏に、40代からの身体の変化や将来に向けて取り組むべきことについて尋ねた。
-40代になり、身体にはどんな変化があるのか。
和田氏 40代は、子どもが大人に成長する過程の「思春期」に対して、大人から高齢者になる過程の「思秋期」とも呼べる期間の入り口だ。30代までにはなかった変化、例えば脳の前頭葉の萎縮や神経伝達物質のセロトニンの減退、さらに男性であれば男性ホルモンの減少などが徐々に現れ始める。
-その結果、何が起こるのか。
和田 前頭葉は人間の意欲や創造性、感情の抑制などをつかさどっている。働きが弱くなるとあらゆる面で意欲が落ち、感情が高ぶった際の抑えが効きにくくなる。セロトニンの減少は不安や抑うつ状態を招く恐れがある。男性ホルモンは、減少すると意欲が落ち、人付き合いを面倒に感じるようになってしまう。
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