JR四国は22日、全18線区ごとの収支状況を初めて公表した。2013~17年度の平均の営業損益は、本州と四国を結ぶ瀬戸大橋線(本四備讃線)の児島―宇多津間以外の17線区はいずれも赤字だった。瀬戸大橋線は5億2千万円の黒字だったが、予讃、土讃、高徳各線の県内区間は8千万~6億2千万円の赤字。全18線区の営業損益は年間平均で109億4千万円の赤字となり、厳しい経営状況が改めて示された形だ。
県内各線区の営業損益は予讃線の高松―多度津間が6億2千万円の赤字、多度津―観音寺間が8千万円の赤字、土讃線の多度津―琴平間が3億1千万円の赤字、高徳線の高松―引田間が5億9千万円の赤字など。四国全体では、土讃線の琴平―高知間の17億6千万円、予讃線の松山―宇和島間の12億4千万円などで赤字幅が大きい。
100円の収入を得るためにかかった経費を示す「営業係数」も公表。児島―宇多津が84円となった以外は全て100円を上回り、県内では高松―多度津が115円、多度津―観音寺が106円、多度津―琴平が175円、高松―引田が145円だった。
営業係数の全体の平均は144円だったが、一部では500円を超える線区もあり、最も悪かったのは予土線の北宇和島(愛媛県)―若井(高知県)間の1159円。牟岐線の阿南(徳島県)―海部(同)間の635円や予讃線(海回り)の向井原(愛媛県)―伊予大洲(同)間の547円なども厳しい状況だ。
半井真司社長は「人口減少もあり、現状のままでは非常に厳しい。JR四国だけで問題に対処するのは難しい。四国の活力を保つために、公共交通のネットワークをトータルでどう維持していくのかという議論を求めたい」としている。
線区ごとの収支は、JR四国と同様、鉄道網維持に関する議論を沿線自治体と続けるJR北海道が16年1月に発表し、注目された。