本屋さんにはたくさんの本があふれ、お子さんに手渡す1冊に迷ってしまうことがありますよね。子どもの本の専門店・ちいさいおうち書店(長野県松本市)の店長・越高一夫さんが、最近出た本の中から、おすすめの3冊を紹介します。今日は、低学年からの1冊です。
『どこどこ こけし』
作 山田マチ、絵 花山かずみ、こぐま社、1404円
こけしはどこに行ったかな?
想像の世界が大きく広がる絵の中から、「こけし」がどこにあるのかをさがしだすという楽しい絵本です。
ちゃぶ台や、茶だんすがある部屋で絵本を読んでいるおかっぱの女の子。そして「こけし」とくれば、なんとなく昭和のにおいがただよってきます。
女の子が、おかしのカンをとろうとして立ち上がると、茶だんすの上にあったはずのこけしが消えています。どこどこ?とさがしていると、テレビ画面の中で、野球選手がバットにしてふりまわしています。続いて、たいこサークルの人がたいこをたたくバチとして手に持っていたり、運動会ではリレーのバトンに使われていたりします。
ページをめくるたびに、ユーモアのある楽しい絵が次から次へと登場し、こけしを見つけると、うれしくなります。
どこに行ったのか心配したこけしですが、最後の場面では茶だんすの上にしっかりとおかれています。いったい、どこに行っていたのでしょうか!? あなたも、いろんなところに行っているこけしのようすを想像してみると、楽しくなりますよ。
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次回配信では、中学年からの1冊を紹介します。
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